ふるさと納税のトレンドは? 「ふるさとチョイス」が予測

暮らし

2023/12/10 10:30

 トラストバンクは12月7日に、同社の運営するふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」のデータ、および「トラストバンク地域創生ラボ」が行った「ふるさと納税に関する意識調査2023」の調査結果をもとにした、「今後のふるさと納税のトレンド予測」を発表した。

キーワードは「20代」など

 ふるさと納税は、身近な生活や話題に浸透しており、昨今の寄付動向をみると、新型コロナ禍や物価高といった世の中の関心ごとが返礼品選びに強く反映されている。とりわけSNSなどを通じて情報に敏感な20代は、寄付行動に社会情勢が強く影響するとともに、「他者を応援する寄付」に対して他世代と比較して積極的であり、今後は地域支援の流れをけん引する存在となっていくと考えられる。

 寄付者全体の返礼品選びの傾向としては、おトク感だけでなく品質が高いことや地域貢献性が高いことといった、プラスαの価値を重視してることが明らかになった。また、ふるさと納税を通じて「地域には高品質な特産品が多い」といった認識が広まりつつあり、SDGsなどの意識の高まりも相まって、家具など毎日長く使うものをお礼の品に選ぶ人も増えている。

 このような環境の中で、「暮らしに役立つふるさと納税」と「地域を応援するふるさと納税」という2つを兼ね備えたマインドの寄付者が増加し、「お礼の品がもらえてお得」「住民税の控除が受けられる」といった、経済的なメリットによる寄付行動だけではなく、より地域貢献性の高い品選びや寄付金の使い道への意識が高まることが予測される。
 
農業・漁業への関心の高まりが寄付行動に

 自然災害や世界情勢リスクによって、日本の食を支える農業・漁業への関心の高まりが、寄付行動にも結びついていることから、2024年以降もこのトレンドが続くとみられる。

 2023年は、8月下旬より国内の水産業を応援する機運が高まり、魚貝類への寄付が一気に増加した。また、飼料や燃油、肥料の高騰などの影響を受けた農家を支援するガバメントクラウドファンディング(GCF)が開設されると、多くの寄付が寄せられた。
 
地域の事業者・生産者への応援を意識した寄付先選びから、
今後は20代がふるさと納税を通じた地域支援を牽引する存在になり得る

 20代の若い世代は、ふるさと納税を地域への応援手段として認知しており、寄付することで地域への貢献を感じていると考えられる。こういった世代では、ふるさと納税でしか出会えない希少な特産品や、地場での体験に対して他の世代よりも関心が高く、社会情勢や経済状況などの影響が寄付行動に強く出る傾向もみられることから、今後は地域支援の流れを牽引する存在として、ますます存在感を増していくと予想される。

 「地域の若者×自治体」の共創型GCFプロジェクトが多数登場し、若者のアイデアに基づくふるさと納税の活用が進んでいる。
 
ふるさと納税の返礼品選びでも、
おトクさよりプラスαの付加価値が重視されるようになると予想

 そのほか、2023年の調査では「おトクさ」にこだわりすぎず、プラスαの付加価値が求められていることがわかっており、今後の返礼品選びでは「地域貢献性」「品質」「こだわり」といった、金銭面だけでは測れない価値が重視されていくことが見込まれる。
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