海外旅行は前年比で7倍、HISの夏休み旅行予約動向

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2023/07/08 11:00

 エイチ・アイ・エスは、同社に申し込まれた夏休み期間(7月21日~8月31日)のツアー、ダイナミックパッケージ、航空券(宿泊のみは除く)を元にまとめられた、夏休み期間の予約状況や旅行動向に関して調査した。調査は6月27日に行われている。

海外旅行先&出発日ランキング

国内旅行はコロナ前と同水準に

 海外旅行全体では、前年と比較して703.7%と約7倍に伸長。新型コロナ禍前の2019年との比較では、53.4%まで回復しているという。

 平均単価は前年比86.3%の17万8000円で、LCCの運航再開やアジア方面の予約が大きく伸びたことが低下の要因と考えられる。長距離路線である欧米のみの平均単価は前年比129%の35万4000円となり、燃油サーチャージは前年より下がったものの平均単価は上昇しており、付加価値のある高額商品を求める旅行客の増加がうかがえる。予約者全体におけるツアー利用比率は40%だった。

 海外旅行先の1位は「ソウル」で、年末年始やゴールデンウィークの予約動向に続いて、繁忙期でも首位を維持している。韓国全体では、19年水準まで急回復しており、7位にランクインした「プサン」で19年を超える伸びとなった。ソウルの予約者は20代が約3割となり、女性同士の旅行が約4割を占めている。

 そのほかの海外旅行先については、ゴールデンウィークに続いて「台北」が上位に返り咲いた。また、8位に「パリ」がランクインし、19年との比較でも約8割まで回復するなど、ヨーロッパの中でも突出した人気となっている。

 出国のピークは8月11日前後となり、お盆(8月13~16日)と絡めた日程での予約が多い。
 
国内旅行先&出発日ランキング

 国内旅行は全体に前年比106.8%で推移し、新型コロナ禍前となる19年と同水準になった。平均単価は前年比109.7%の8万5000円で、旅行先については、1~4位まで前年と同様の順となっている。5位の「鹿児島県」は予約の約8割が奄美大島・屋久島となっており、世界自然遺産にも登録された離島への関心の高さがうかがえる。8位の「広島県」は、5月に5月にG7サミットが開催されたことで注目を集めた。なお、19年から行われていた嚴島神社・大鳥居の大規模な改修工事は、22年末に全て終了している。

 出発日は、夏休み初日前後が最も多く、土日を絡めた日付で日程を組んでいる人が多い。祝日・お盆を絡めた日程が人気の海外旅行と比較して、国内旅行は比較的分散している。
 
国内旅行先では「千葉県」の予約数が急上昇

 22年から予約数が急上昇した旅行先は「千葉県」が1位となり、大幅な上昇となった。23年は、東京ディズニーランドが開業40周年を迎えたことも増加につながっている。

 そのほか、5位にランクインした「高知県」、予約者数ランキング10位の「香川県」とともに、ランキングに含まれていないものの「愛媛県」「徳島県」も高い伸びを示している。航空券の価格が全国的に値上がり傾向である中で、価格が安定していたこともあり、四国への注目度が高まりつつある。「JAL麗らか四国キャンペーン」「ANA誘遊四国キャンペーン」といった航空会社独自のキャンペーンが付いたツアーが人気であり、周遊のしやすさを後押ししている。