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エアコンを買う前にカタログのココをチェック! 分かりにくいスペックの意味を知ろう

暮らし

2023/07/07 17:30

 エアコンを購入する際に役立つのがメーカーカタログ。各社のカタログを持ち帰って製品を比較するという人も多いだろう。しかし、カタログを見て製品を比較するのであれば、そのスペックの意味をしっかりと理解しておく必要がある。ちょっと分かりにくいエアコンのスペックを解説しよう。

カタログに記載されているスペックを理解して
エアコンを購入しよう

 年々、夏の暑さが厳しくなっていると感じている向きも多いだろう。暑さや熱中症対策で必須な家電製品がエアコンだ。家電量販店の店頭に行くと数多くのエアコンが展示されていて、どの製品を買えばよいのか迷うこともある。そんなときに役立つのがカタログである。

 だが、カタログを集めて製品の比較をしようとしても商品ページに記載されている肝心のスペックを正しく理解しているだろうか。2022年から電気料金が上昇。少しでも省エネにつながり、性能も確かな製品を購入するためにはスペックを押さえておくことが重要だ。

 本記事ではエアコンカタログの商品ページに記載されているスペックの意味を簡潔にまとめた。本記事を参考にしてカタログをチェックしよう。
 

省エネ性能はスペック表の上段に注目しよう

 トップの画像は、エアコンのスペック表。メーカーによって多少の違いはあるが、記載されている項目や内容は全社共通だ。では、個々に説明していこう。
 
スペック表の上段は省エネ性能の重要項目

 (1)期間消費電力量とは午前6時~午前0時までの1日18時間、5月23日~10月4日は設定温度27℃で冷房運転をし、11月8日~翌年4月16日までは設定温度20℃で暖房運転をしたときに該当期間で消費する電力量のことである。

 消費電力量が小さいほど、電気代はかからない。ただし、この電力量を算出する環境は、東京の平均的な南向き木造住宅。この条件下での消費電力量で、実際の消費電力量ではなくあくまで目安である。とはいえ購入検討候補製品が複数あるときは、十分に比較要素として成り立つ。

 (2)目標年度とは、エアコンにおける省エネ基準達成目標として定めた年度のこと。毎年変わるわけではなく、年度については特に気にしなくてよい。見るべきはマークの色だ。(3)と連動して100%以上はグリーン、100%未満はオレンジになっており、グリーンの方が省エネ性能は高い。

 (3)省エネ基準達成率は、定められた省エネ基準値に対して、どの程度クリアしているかを%で表しているもの。%が高いほど省エネである。

 (4)通年エネルギー消費効率(APF)は、一定の条件下で1年間エアコンを使用したときの冷暖房能力を(1)の期間消費電力量で割った数値。この値が大きいほどエネルギーの消費効率がよく、省エネ性能が高いといえる。

 この(1)~(4)はどれも省エネ性能に関するスペックで、省エネ性能を重視するなら、まずはここをチェックしたい。
 

同じモデルでも適用畳数は冷房と暖房で異なる

 スペック表の下段は、冷暖房の性能を表す数値が記載されている。カタログの発行時期によっては冷房と暖房の位置が逆になっていることもあるが、薄いブルーの地が冷房で、薄いピンクが暖房は全社共通である。では、(5)から解説しよう。
 
( )内の数値が何かを知ると、
製品同士の性能比較を行うことも可能

 (5)畳数のめやすでは、畳数とm2を併記している。冷房が11~17畳となっている場合、実は適用畳数が11~17畳ではないのだ。左側の小さい数値は南向きの木造住宅で和室を想定した際の適用畳数、右側の大きい数値は南向きの鉄筋マンション中層階での適用畳数を指している。勘違いしている向きも多いのではないだろうか。

 さらに気をつけたいのは、冷房と暖房では適用畳数が異なる点だ。仮に16畳のリビングに設置しようとした際、画像を例に挙げると冷房の適用畳数は17畳で問題ないが、暖房は14畳。つまり、16畳のリビングに対して暖房の適用畳数は14畳で、暖房能力が不足しているということになる。

 この場合は、一つ上の能力のモデルを選ぶのが正解だ。特に冬のメイン暖房にエアコンを想定している場合は、暖房の適用畳数をしっかりチェックしよう。
 
エアコン暖房では暖房の適用畳数と
設置する部屋の畳数を合わせよう

能力の(○~○)は最小パワーと最大パワー

 (6)能力では安定して出力できる標準パワーを指す数値と、( )内の最小パワー~最大パワーの二つが記載されている。エアコンでは同じシリーズのラインアップを2.2、2.8、4.0などで表すが、この数値は冷房での標準パワーを指す数値なのだ。

 ( )内の最小パワーとは、運転オフになるギリギリまで運転できる能力のことで、最大パワーは文字どおり最大限発揮できるパワーを指す。例えば帰宅して暑い部屋を一気に冷やすときは最大パワーの能力が重要で、部屋が冷えた後での設定温度維持は最小パワーの能力が重要ということだ。

 この最小~最大の幅が大きいと、それだけパワーの範囲が広く、能力が高いと捉えよう。
 
能力の最小パワーと最大パワーの幅もしっかりチェック

 (7)消費電力は、能力と同じように標準パワーと最小~最大パワーで運転した場合の消費電力を指す。(6)とも連携しており、画像の例では冷房を標準パワーの4.0kWで運転したときの消費電力量は830Wであることを表している。

 (8)暖房時低温能力は外気温が2℃のときの暖房の最大パワーを示している。最近は寒冷地仕様の暖房強化型エアコンもあるが、このタイプでは外気温2℃に加えて、-7℃と-15℃での最大能力も記載されている。冬の寒さが厳しい地域では、この数値も踏まえて検討しよう。

 予報では7月の中旬くらいから梅雨明けとなり、本格的な暑さが到来する時期となる。内閣府の消費動向調査によると、エアコンの平均使用年数は13年以上。家電製品の中でも最も長く使う製品と言っても過言ではない。それだけに購入するときは、しっかりと製品を比較して選びたい。(BCN・風間 理男)