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“カスタムPC”の浸透へ、インテルが仕掛ける新たなカテゴリー創造戦略

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2023/04/03 17:00

 インテルは春分の日の3月21日、一般消費者がPCのカスタマイズを体験できる「カスタムPCスタジオ」を「アーバンドック ららぽーと豊洲」(東京都江東区)で開催した。このイベントは、これまでPC上級者向けだった自作PC市場に加えて、メモリを増やす、GPUを変えてみるなどちょっとしたカスタマイズを新たなPCの楽しみ方「カスタムPC」として、一般消費者層にも気軽に興味を持ってもらうことが目的だ。会場にはマザーボードメーカー4社の専門スタッフが勢ぞろいし、親子連れ中心の参加者にPCの組み立て方やパーツ交換のしかたを手取り足取り教えていた。

インテルが「カスタムPCスタジオ」を開催

自作PCに加え「カスタムPC」という新カテゴリーの浸透は一般消費者への働きかけが必要

 「ゼロから作る“自作PC”だけでなく、パーツをちょっと取り替える“カスタム”や“チューンナップ”というやり方を通しても、コンシューマーの皆さんにPCと向き合ってもらいたかった」。今回のカスタムPCスタジオを企画したインテルの上野晶子マーケティング本部長はイベント開催に込めた思いをこのように語る。
 
上野晶子
マーケティング本部長

 かつては「自分で組み上げたほうが安くできる」ことが自作PCの存在意義であり、高性能マシンをいかに経済的に作るかにPC自作派の腕の見せ所があった。しかし、現在では自作PCとメーカー製モデル間の価格差はほとんどない。その結果、ほとんどの人は手間のかかるPCの自作をやめてしまい、今でも自作にこだわっているのはオーバークロックなどの特殊仕様のPCを追い求める上級者に限られているのが現状だ。当然、自作PCの世界に新しく入ってくる若い人の数も少ない。

 このような状況下、自作PC市場をどのように変えていくか――。マザーボードメーカー各社と話し合った上でインテルが目指したのは、市場を一般消費者層にも広げていくことだった。「メモリ増設やグラフィックボード交換にまで範囲を広げた“カスタムPC”という考え方を訴求すれば、より多くの人々に興味を持ってもらえるのではないかと考えた」と上野本部長。この仮説を検証するためのフィールドとしても、手練れの自作PC派が集まる秋葉原ではなく、一般の消費者を集めやすい休日のショッピングモールを選んだと説明する。

マザーボードメーカー4社が出展、PC組み立て体験の機会を提供する

 カスタムPCスタジオが設けられたのは、アーバンドック ららぽーと豊洲の1階にあるノースポートイベントスペース。通路が交差する場所だけに人通りも多く、人々の注目を集めるには絶好の場所だった。

 会場のレイアウトはブース型ではなく、マザーボードメーカー4社(ASRock、ASUSMSIGIGABYTE)とプチステージ用のテーブルがL字形に並ぶスタイル。テーブルの内側に各社の専門スタッフが立ち、マザーボードとパーツを使ってPCの組み立て方を参加者に体験してもらったり、参加者からの相談に応じたりする、という趣向だ。「これまでとは違う層へのリーチをねらって、今回のカスタムPCスタジオではイタリアンのオープンキッチンをイメージ。各社の専門スタッフにもシェフのようなエプロンを着けてもらった」と上野本部長は話す。
 
ASRockブースで体験するドライバーでの組み立て
 
キャプションマザーボードを説明するASUSスタッフ


 PCの組み立ては、CPUストレージSSD)→CPUクーラー→メモリ(RAM)→→電源ユニット→マザーボード→グラフィックスカードという手順が基本。参加者のほとんどは専門スタッフの手を借りながら5~10分程度でパーツ取り付けやネジ止めの作業を終わらせていた。「かつてPC自作派だった親が、子どもに同じ体験をさせようと参加している例が多かった」と各社の専門スタッフは語る。
 
MSIブースはパーツの組み込み方をアドバイス
 
GIGABYTEブースでは親子連れが体験していた


 また、プチステージに設定されたテーブルでは、PC組み立て作業の実演を計8回(各社2回×4社)実施。カスタムPCの魅力やパーツを取り付ける際のポイントやプロならではのテクニックを、マザーボードメーカー4社の専門スタッフが聴衆に分かりやすくプレゼンテーションしていた。さらに、会場の外周には各社のマザーボードを組み上げた状態の完成品を展示。キラキラと光る美しいLED電飾が人目を引いていた。
 
PC組み立て作業の実演を実施

イベントの成果を分析して学校や量販店にも働きかけていく

 カスタムPCスタジオが開かれたのは、10時から18時まで。ひっきりなしに訪れる参加者には親子連れが多かったが、一人で挑戦する若い女性がいるなど、カスタムPCに興味を持つ人の層は当初の予想よりも幅広いことをうかがわせた。「秋葉原以外での反応を見て、大きな市場になりそうだと分かったら、マザーボードメーカーなどと一緒に本格的なテコ入れをするつもりだった」と上野本部長。今回の成果を分析した上で、次の打ち手を考えたいと付け加える。

 その一つの方向性が、PCの組み立てを学校教育のメニューに取り入れてもらうことだ。プログラミング教育でPCに親しみを持った児童・生徒には、次のステップとして、PC作りを学んでもらうことが有効なはず。「ある教育委員会からはすでに打診を受けている」と上野本部長は明かす。

 また、量販店の店頭でカスタムPCスタジオと同様のイベントを開くことも十分に考えられる。eスポーツを極めるには、高スペックのマシンが不可欠。インテルの協力を得てeスポーツのゲーム大会を開いている量販店の場合、それに続くイベントとしてPCのカスタマイズを選ぶ可能性は高い。CPUやケースなどの自作用パーツを扱っている量販店も多いから、それらの商材の需要を喚起するための施策としても有望だろう。

 会社から支給されたPCを使わざるをえないビジネスパーソンと違って、一般消費者は自分のニーズに合ったスペックのPCを自由に選ぶことが可能。そのようなPCユーザー層に向けて、インテルは「PCユーザーに良し、マザーボードメーカーに良し、インテルとしても良し、の三方良し」(上野本部長)の姿勢でカスタムPCというPCの楽しみ方を広めていこうとしている。

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