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「ポイントがたまる」銀行まとめ ドコモも参入 24年春にはJR東日本もサービス開始へ

 今もなお、毎月25日前後などの給与や、年金の振り込み日には、駅や繁華街の銀行ATMには長蛇の列ができている。空いている日・時間帯もあるので、待ち時間がもったいないと思うのだが、並ぶ人は気にならないようだ。今回は、そうしたATM高頻度利用層こそ活用してほしい新しい銀行のかたち「デジタル口座サービス」を含む、対象の銀行取引でポイントがたまる主な金融機関をまとめた。なお、対象取引・カウント方法は銀行ごとに異なり、頻繁に見直し・改定があるので常に情報をアップデートしていこう。

給与支給日のATMの行列はやがて過去のものになる!?(画像はイメージ)

自動口座引き落としなどでポイントがたまる!

 NTTドコモと三菱UFJ銀行は、dポイントがたまるデジタル口座サービス「dスマートバンク」の提供を2022年12月12日に開始した。ATM手数料などの優遇内容は、三菱UFJ銀行の「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」と同じだが、dアカウントでログインする専用アプリを利用して、「dスマートバンク」のみの便利な機能を利用できる。また、給与・年金の振り込み、「dカード」の利用代金引き落としなど、対象の銀行取引に応じてdポイントがたまる。
 
ドコモの「dスマートバンク」のキャンペーン告知(新規口座開設者向け)

 三菱UFJ銀行も、「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」口座開設者に対し、対象の銀行取引に対し、Pontaポイントがたまる「メインバンク プラス ポイントサービス」を提供しており、dポイントをためたい場合は「dスマートバンク」に申し込む必要がある。ただし、対象取引や付与するポイント数は異なり、どちらでもいいなら、現時点ではPontaポイントがたまる「メインバンク プラス ポイントサービス」を選んだほうがお得だ。
 
Pontaポイントがたまる三菱UFJ銀行の「メインバンク プラス ポイントサービス」の告知

 KDDI傘下のauフィナンシャルホールディングスと三菱UFJ銀行が出資するインターネット専業銀行のauじぶん銀行でも、ステージ(ランク)に応じたATM手数料無料・他行振込手数料無料に加え、対象の銀行取引に対してPontaポイントを付与する優待プログラム「じぶんプラス」を22年4月から提供中。Ponta会員IDと連携したau IDを登録すると、対象の銀行取引ごとに、ランク応じたPontaポイントがたまる。
 
auじぶん銀行「じぶんプラス」の紹介

 また、JR東日本とビューカードは楽天銀行と提携し、銀行取引などに応じてJR東日本グループの共通ポイント「JRE POINT」がたまるデジタル金融サービス「JRE BANK」を24年春頃に開始する予定だと発表した。支店名は例えば「楽天銀行 JREはやぶさ支店」となり、楽天銀行口座保有者も新たにJRE BANKの口座を開設できるという。
 
JR東日本は「人生に体験と経験を。」をコンセプトとしたデジタル金融サービス
「JRE BANK」を2024年春に開始する予定

 公開されているアプリ画面イメージを見る限り、楽天銀行アプリのUIをそのまま活用し、楽天ポイントの代わりに銀行取引に応じてJRE POINTがたまるほか、新幹線の優待などJR東日本ならではの特典を提供するようだ。住宅ローンにも参入する計画で、首都圏のJR東日本沿線に住む、これから住宅を購入予定の人には心強い金融サービスが1年~1年3カ月後には登場する見込みだ。

 楽天銀行自体も優遇プログラム「ハッピープログラム」を提供しており、対象取引ごとにランクに応じて楽天ポイントがたまる(ポイント付与率1倍~3倍)。楽天銀行アプリから払込票のバーコードを読み込み、口座から直接引き落とす「楽天銀行コンビニ支払サービス(アプリで払込票支払)」は1件あたり10ポイントなど、一部の対象取引は付与されるポイント数が多く、楽天銀行は以前から「銀行取引でポイントがたまる銀行」として楽天ユーザーにはおなじみだ。
 
楽天銀行は2022年9月に1300万口座を突破した

 「dスマートバンク」に対する三菱UFU銀行、「JRE BANK」に対する楽天銀行の役割は「BaaS」基盤の提供となる。BaaSとは、Banking as a Serviceの略で、BaaSの外販は、金融機関にとっても収益獲得のチャンスとなる。このBasSで先行しているのは、旧イーバンク銀行(楽天銀行)・旧ジャパンネット銀行PayPay銀行)と並ぶ、インターネット専業銀行の老舗・住信SBIネット銀行。「NEOBANK(ネオバンク)」として、幅広いジャンルの業種の企業と提携し、「JAL支店」「Tポイント支店」「ヤマダネオバンク支店」「タカシマヤ支店」といった支店名でNEOBANKサービスを展開している。
 
住信SBIネット銀行の「提携NEOBANKサービス」一覧

 今回取り上げた金融機関・企業が提供するポイントサービや優待プログラムは、利用特典として付与する「ポイント」と「決済」を軸に、一生涯続く「顧客の囲い込み」を目指す長期的な取り組みだ。こうした「新しい銀行」は、旧来のリアル店舗中心の銀行だと、口座開設のきっかけがない若者世代向けともいえるだろう。今後も、BaaSを活用した意外な企業のデジタル口座/金融サービス参入の発表が続きそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)