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SIMフリーAndroidスマホでOPPOが年間No.1! 急成長の理由を販売データで分析

データ

2022/02/01 17:30

 全国の家電量販店やネットショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、2021年にSIMフリーAndroidスマートフォンでもっとも販売台数の多かったメーカーはOPPOだった。市場の4分の1を占める25.5%のシェアを獲得するなど、同カテゴリーにおけるリーディングカンパニーとしての存在感を示した。

2021年のSIMフリーAndroidスマートフォン市場でもっとも売れたメーカーはOPPO

 同社のトップシェアに大きく貢献したのは「OPPO Reno3 A」だ。2020年6月の発売以来、幅広い販路で売上を伸ばし、2021年にもっとも売れたSIMフリーAndroidスマホに輝いた。2位には「OPPO A73」がランクイン、さらに直近では2021年6月に発売された「OPPO Reno5 A」(年間ランキングでは10位)が好調で、ラインアップの盤石さがうかがえる。
 

参入から現在までのシェア推移 実はスタート時には苦戦

 いまや市場を代表する存在のOPPOだが、市場参入は2018年2月と日は浅い。なぜここまで急成長を遂げることができたのか。過去5年の販売データからその要因を探ってみた。
 

 日本上陸自体が大きなトピックとして受け止められたOPPOだが、実は参入当初から支持を得ていたわけではない。第一弾としてリリースした「R11s」はカメラに特化したユニークなスマホであったが、税別5万7980円という少々強気な価格もあり、絶好のスタートダッシュを切るには至らなかった。
 
日本市場に第一弾として投入した「R11s」。
カメラフォンの愛称で中国ですでに人気のあったモデルだ

 OPPOが成長の兆しを見せ始めたのは、18年の下半期だ。その原動力となったのが、9月に発売した「R15 Neo」、12月に発売した「AX7」。どちらも3万円を切る価格設定ながら、画面占有率の高いフルビューディスプレイや高性能のデュアルカメラを搭載し、市場のボリュームゾーンで一躍人気モデルとなった。
 
「R15 Neo」と「AX7」はコスパの高さで人気を集めた

「OPPO Reno A」が爆売れ! 一気にトップ争いへ

 そして、次のターニングポイントとなったのが、2019年10月に発売した「OPPO Reno A」だ。現在の売れ筋にもなっているRenoシリーズの先駆けで、税別3万5800円という価格ながら、おサイフケータイ&防水・防塵に対応したことで注目を集めた。同社として初めての日本オリジナルスマホであり、日本人向けに徹底したローカライズを行ったことからも市場への本気度がうかがえた。当時は3万円台でこれらの要素を兼ね備えていたスマホはほとんどなく、戦略がぴたっとハマったことで、ユーザーからの支持は急拡大した。
 
初めての日本オリジナルスマホだった「OPPO Reno A」。
日本市場向けにチューニングした機能が高く評価された

 OPPO Reno AをきっかけにOPPOは販売台数シェアも大きく動く。2019年10月に初の3位、翌月の11月には初の2位と破竹の勢いを見せ始める。いまやおなじみとなった指原莉乃さんが出演するTVCMを展開し始めたのもこの頃で、認知度が飛躍的に高まったことも、急上昇の要因となった。
 
指原莉乃さんのTVCM展開も成長を後押しした

 2020年になると、現在も支持を集めるロングセラーモデルが登場してくる。6月にはOPPO Reno Aの系譜を受け継ぐ「OPPO Reno3 A」、11月には有機EL&4眼搭載ながら約3万円のコスパを実現した「OPPO A73」を発売。ついにトップシェアに躍り出て、その座を盤石なものにしていく。6月に発売した「OPPO Reno5 A」も定番モデルとして育ちつつあり、2022年上半期も継続して支持を集めそうだ。
 
現在の主力製品である「OPPO Reno5 A」

 販売動向を軸にするとコスパの高いモデルが目立つが、OPPOは最先端テクノロジーを搭載するモデルも多数ラインアップしている。たとえば、参入年に発売した「Find X」は世界初のスライド式カメラを採用したスマホとして存在感を示した。2019年7月にリリースした「OPPO Reno 10x Zoom」はカメラを得意とする同社らしく「10倍ハイブリッドズーム」という新しい価値を提示してみせた。

 ワールドワイドではしばしば話題にあがる折り畳み式もローンチしている。12月に中国で発売した「Find N」がそれで、改めてOPPOが業界トップクラスの技術力を有していることを証明した。すでに日本市場で価格と機能のバランスのよさが知れ渡っているOPPOだが、2022年は未来を感じさせる唯一無二のハイエンドモデルにも注目したいところだ。(BCN・大蔵大輔)