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年々前倒しになる家電量販店の「福袋商戦」!2022年版を占う

経営戦略

2021/11/13 18:00

 【家電コンサルのお得な話・62】 早いもので、もう11月中旬となり今年もあと1カ月半だ。早いのは時間の経過だけではなく、流通小売業では年々、セール訴求も前倒しで早まり「米国では10月から年末商戦始まる、好調な出足」といった内容の記事も目にした。日本の流通小売業も例外ではない。そこで、家電量販店の福袋商戦を占ってみた。

福袋、初売り商戦の予想

 2020年は複数の企業が年内に「福袋」や「初売りセール」を店舗やECサイトで実施した。この前倒しでの訴求を目にしたときは、「年末の慌ただしい時期であるうえ、消費者が抱くイメージと合わないのではないか?」と感じたものだが、結果として好調な企業が多かったようだ。

 こういったシーズンイベントの先取り施策は、一度始めると前年実績として残るため、翌年以降も引き継がれるケースが多い。それに加え、「好調」とわかると様子を見ていた競合企業も追随するため、今年末の「福袋」や「初売りセール」は消費者にとってもお得になる可能性が高く狙い目だろう。

 よく、「安く買う方法」という言葉を目にするが、売る側からすれば「絶対に予算を落としたくない日」は無理をしてでも売り上げを取りにいく。家電量販店の場合、12月は年間で一番重い予算であり、特に1週目、2週目の土、日はそういった日である。

 買い替えの必要を迫られている商品は「どういった商品かわからない福袋」に頼ることはできないため、12月1週目、2週目の土、日を狙うといいだろう。「福袋」は、もちろんお得であるが、初売りセールの台数限定には「売り切りで本部商談を掛けているお得な商品(本部一括納品で再入荷なしのケース等)」も多い。

 これまでのように「年明けの一斉スタート」ではなく、各社開始日が前倒し傾向となり、実施日や期間も異なるため、台数限定品はセールの開始日を意識するといいだろう。

 今年の実施予定は各家電量販店とも今のところ未定だが2020年の実績から予想してみよう。ヨドバシカメラは20年12月1日~(数日間)、ネットで福袋の抽選応募を受け付けていた。上新電機は20年12月26日~21年1月11日まで初売りセールで、福袋は発売時期をずらしながら実施した。エディオンも20年12月26日から福袋の店頭販売を開始、21年1月11日まで福袋セールを実施した。

 本年もこのスケジュールで実施される可能性が高いため、11月末くらいから各社のECサイトやチラシ、店頭を意識し、開始日をつかんで、お得な商品を購入していただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。