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鶏1羽に30gの希少部位「ギザード」、岩手・一関市の企業が「とりたん」開発

販売戦略

2021/04/15 11:30

 オヤマは、SDGsの観点から鶏の希少部位「ギザード」を使用した新商品「とりたん」を開発し、その発売と特許出願を記念して4月19日0時から21日16時までの期間、「オヤマ感謝祭2021宅配掘出市」を開催する。

とりたん

 オヤマは、銘柄鶏「奥州いわいどり」の生産、飼育、食肉加工、総菜加工、店舗運営までを一貫して行い、六次産業化に取り組んでいる。鶏肉には、さまざまな部位があり、もも、むね、手羽先などはメジャーなものだが、内臓類は調理するのが難しいため、家庭向けよりも飲食(焼き鳥)店のプロ向けに提供してきた。しかし、昨年来の新型コロナウイルスの影響で飲食店の休業や売上低迷で行き場を失ってしまい、廃棄せざるを得なくなっているという。

 そこで今回、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためにも、食材の廃棄を避け、消費者に美味しく食べてもらいたいと考え、廃棄されてしまう部位の一つであるギザードを使用し、加工品として、とりたんを開発した。

 ギザードは、1羽の鶏から約30gしか取れない希少部位。食感は歯切れが良く、ぷりっとした肉の歯応えも楽しめる。同社では、塩こうじを主体とし、さまざまな調味料を加えたオリジナルタレの開発に成功。濃厚な塩味がギザードの味わいにピッタリで、食べやすさも抜群。香ばしく焼いたら、まるで「牛タン」のような食感と風味になり、ご飯にもお酒にも合うおいしいおかずとして、とりたんが出来上がった。

 とりたんの形状を元に、かわいらしい顔が四つ並んだ怪獣を同社の社員が描き出し、オリジナルキャラクターも完成。あわせて、同社初となる製品・製造方法に関する特許も出願している。

 宅配掘出市は、毎年4月に開催していた一大イベント「オヤマ感謝祭」を、新型コロナウイルス感染防止を配慮し、ネット上で昨年4月に開催したことでスタートしたもの。その後も通常販売を続けつつ、数カ月に一度のセールを実施してきた。開始から1年を経た今、コロナ禍での「緊急事態宣言」などの発令で市場が混乱し、宅配掘出市の準備ができない状態だったが、とりたんを世に送り出す場を作るために、「オヤマ感謝祭2021」を「とりたん誕生の巻」と銘打ち、宅配掘出市の開催を決断した。

 今回の宅配掘出市では、(1)とりたんを購入した先着1000人にオリジナルタンブラー「とりたんぶらー」をプレゼント、(2)ネットでの購入でたまるGMOポイントを通常の2倍プレゼント、(3)商品到着後、盛付画像とコメントをレビューに投稿した人に景品をプレゼントする「スマホからあげてグランプリ」--と三つの特典を用意している。