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ネットスーパーの成長可能性 楽天西友は不便な郊外・地方を救うか

 生鮮食品・総菜から日用品まで幅広く取り扱い、インターネットや電話で注文して店舗・配送拠点から配達希望場所(主に自宅)まで配送する業態を「ネットスーパー」と定義すると、EC・スーパー大手に加え、地域密着型の中堅スーパーが参入するネットスーパーは、今後、ますます増えると予想されている。ただし、通常、実店舗から配送する仕組みのため、誰でも知っているブランドを冠した大手ネットスーパーは都市部限定サービスだ。

職住近接のトレンドを背景に、都市部を中心に広がるネットスーパー

 11月16日、米投資ファンドのKKRと楽天は、米ウォルマート傘下の大手スーパー、西友を買収すると発表した。新たな出資比率はKKRが65%、新たに設立する小売業のDX推進を支援する新会社、楽天DXソリューション(仮称)を通じて楽天が20%、ウォルマートが15%。新たなキャッシュレス決済サービスの導入のほか、オンラインとオフラインを融合したサービス体験の向上、2018年1月に発表した楽天と米ウォルマートの戦略的提携の一環として、楽天と西友が共同運営する「楽天西友ネットスーパー」の強化を図る。
 
ネットスーパー事業が成功すれば、西友のリアル店舗はネットスーパーと同じ「楽天西友」に統一するかも?

 楽天西友ネットスーパーは、西友のPBを含む豊富な品ぞろえと「最短当日注文可」「2時間単位の配送時間指定」「会員登録無料(年会費無料)」といった強みをもつ。楽天の他のサービス同様、「楽天ポイントがたまる・使える」ので、楽天会員にかなり便利だが、まだ全国展開しておらず、サービスエリアは17都道府県にとどまっている。
 
2018年10月にグランドオープンした「楽天西友ネットスーパー」の配送エリア

 各社のネットスーパーは「ECサイトのヘビーユーザー」「忙しい共働き家庭・外出しにくい乳幼児のいる家庭」「年齢を重ね、買い出しのための車の運転が辛くなってきた家庭」をメインターゲットとし、上乗せされる配送料や月会費は「時短」と「自家用車の保有コスト/ガソリン代や有料駐車場代」の対価となる。また、最低注文金額を設定し、まとめ買いのみ受け付けている。

 記者は、コープ・生協のマンション一括宅配サービスをインターネット注文で一時利用していたが、指定の注文用紙が使いにくく、ネット注文でも5日前締切のため、メインにできなかった。また、支払い方法が口座振替しか選べず、店舗購入に比べ、お得感がないと感じていた。対して、ネットスーパーならPCやタブレット端末スマートフォンから配達日指定で注文し、クレジットカードの一括払いで支払うので便利でお得だ。

 20年11月現在、ネットスーパー「Amazonフレッシュ」や即時配送サービス「Prime Now」が利用可能な首都圏の都市部はもちろん、子育て家庭と高齢者の多い郊外エリアこそ、ECと同じ感覚で24時間いつでも注文できるネットスーパーが求められている。特に、9~18時の時間帯に自宅で仕事をする在宅勤務者にとっては必須といえる。スーパーやドラッグストア、ファーストフード店などを、通勤中や昼休み時間を使って利用する、ついでの立ち寄りが難しいからだ。

 楽天など3社によって、楽天西友ネットスーパーのエリアが拡大し、競合する他社ネットスーパーもサービス強化を行い、1人1台の自家用車なしには生活しにくい郊外エリアや地方が便利になるか。少なくとも、いま新たな住まいを探すなら、主要ネットスーパーの利用可否は事前に確認しておこう。(BCN・嵯峨野 芙美)

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