高市早苗総務大臣は9月15日の記者会見で、ゆうちょ銀行が提携している決済サービス業者12社のうち、すでにNTTドコモ(ドコモ口座)を含む6社のサービスを通じてゆうちょ銀行口座から不審な引き出しなどの被害が発生したことを明らかにした。9月10日にNTTドコモとゆうちょ銀行からヒアリングした際、明らかになったという。高市大臣は具体的な社名を示さなかったが、「NTTドコモだけではない」としてセキュリティ対策と被害者への万全の対応を要請した。

高市早苗総務大臣。ゆうちょ銀行と提携する決済サービス5社でも被害があることが明らかに

 問題のある6社のうち2社は、新規登録やゆうちょ銀行口座からのチャージを停止しているが、残る4社は15日時点でサービスを提供し続けているという。

 ゆうちょ銀行口座とひもづく即時振替サービスで提携している決済サービス事業者は次の12社(サービス)。ウェルネット(支払秘書)、NTTドコモ(ドコモ口座)、Kyash(Kyash)、ビリングシステム(PayB)、ファミマデジタルワン(FamiPay)、pring(pring)、PayPal(ペイパル)、PayPay(PayPay)、メルペイ(メルペイ)、ゆめカード(ゆめか)、LINE Pay(LINE Pay)、楽天Edy(楽天Edy)。
 
ゆうちょ銀行の即時振替サービスで提携する決済サービス事業者12社

 高市大臣は、高齢者や障害のある人、過疎地に住む人など自分の口座残高を頻繁にチェックしに行くことが困難だったり、スマートフォンで口座明細を確認できない人が多くいたりすることを懸念。「自身が被害にあっていても気づくのが遅くなり、被害がさらに拡大する可能性がある」と、隠れた被害者のいる可能性を示唆した。

 また、「NTTドコモだけでなく、幅広い即時振替サービスに関して不審な出金がないか確認していただかないといけない。多くの方々の財産を守るべきことなので、あえて言及した」と、ドコモ口座以外にも問題が拡大していることに強い危機感を示した。

 ドコモ口座で問題になっているのは、NTTドコモと回線契約がなく、ドコモ口座を知らず、なんらNTTドコモと関係のない人たちの銀行口座から犯人が不正に預金を引き出している可能性があることだ。NTTドコモの丸山誠治副社長は9月10日の会見で、こうした人たちが被害にあわないためにとるべき行動は「本人の通帳やオンラインで口座明細を確認できる場合は、そちらの残高の取引履歴をチェックしていただくしかない」と述べている。

 被害総額は、10日時点の約1800万円から14日時点で2542万円に拡大。14日時点でも、「今後も、銀行からの申告次第では件数が増加する可能性はある」という。

 NTTドコモと銀行は連携して全額補償するとしているが、同社と関係のない多くの人が自分の通帳に「ドコモコウザ」や「デイーバライ」と記載された不審な引き落としがないか確認することを実質的に強いているところに問題がある。

 14日の会見でNTTドコモは、ドコモ口座サービスを全面停止しない理由について「一般的な利用者がいるほか、銀行自体の認証も高いレベルで、止める必要はないと判断した」と語っている。(BCN・細田 立圭志)