新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、リアルな会場で開催されるライブエンターテインメントは開催自粛が相次いでいる。対策として注目されているのが、ステージ上の音楽ライブや演劇などをライブ配信する「デジタルライブエンターテインメント」。CyberZ、OEN、デジタルインファクトの3社が共同で実施した、国内デジタルライブエンターテインメント市場に関する市場動向調査では、2024年の市場規模が約1000億円にのぼる見込みだ。


 新型コロナの影響で、アーティストや興行者の収益機会は大きく減少している。ぴあ総研は、20年のライブエンターテインメントの市場規模を1836億円(前年比70.8%減)と試算。リアルライブが困難な状況は、いつまで続くのかはっきりせず、今後の影響が計り知れない。

 一方、オンラインで開催できるデジタルライブは、観客に飛沫や接触のリスクはない。スタッフや出演者の対策さえできれば、開催は比較的自由だ。これまでは、一部のアーティストがプロモーション目的で大手動画配信サイトでの配信などを行っていたが、新型コロナの拡大をきっかけに、本格的な収益獲得を目指す取り組みとして急速に進んできた。

 20年春以降、デジタルならではのライブ演出を行う「SUPERLIVE by OPENREC」や、「ABEMA PPV」、次世代チケット販売プラットフォームの「ZAIKO」といった動画配信サービスをはじめ、多くの事業者がライブ動画配信を開始。20年のデジタルライブエンターテインメント市場規模は140億円に達し、21年に前年比約2.2倍の314億円規模と急拡大すると予測されている。

 今後は、CG合成技術を活用するなど、今までにない新しい表現を用いたデジタルならではの新しいユーザー体験を提供できるようになる。また、ライブ終了後もビデオチャットツールを活用したファンとの新しいコミュニケーションや、ECを有効活用した限定グッズの発売など、新しいビジネス機会が生まれつつあり、周辺産業への波及効果も期待されているという。