家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、PCサプライ品に分類する「電源タップ」は、今年4月に販売数量前年同月比129.3%と大幅に前年自実績を上回り、さらに5月に伸び率アップの155.2%と、異例の伸びを記録した。電源延長コードもまた、同様に4月124.6%、5月152.6%と高い伸び率を記録した。

 実は電源タップ・コードは、年間で年末年始と3月に多く売れる季節商品で、基準月を1として販売指数の変動を追うと、例年なら4~10月の指数が小さくなる、あまり売れない時期となる。しかし、今年は4月・5月も3月並の販売数量を維持し、過去2年の傾向とは異なる、イレギュラーな結果となった。
 

 一部の大手企業は、2月下旬から先行して勤務形態をリモートワーク(在宅勤務)に移行し、3月下旬から4月上旬にかけて、他の大手企業や一部の中小企業も追随した。

 海外で感染拡大が始まった新型コロナウイルス感染症が国内でも伝播し始めると、JR・私鉄各線は車内アナウンスで「オプピーク通勤・在宅勤務へのご協力をお願いします」と呼びかけ、各種アンケート調査によると、ノーワークとなる自宅待機を含め、首都圏にオフィスのある企業の在宅勤務率はかなり高かった模様だ。
 
3月14日に暫定開業した新駅「高輪ゲートウェイ駅」の緊急事態宣言中の様子。
目玉の無人コンビニ「TOUCH TO GO」は臨時休業していた

 自宅で作業する在宅勤務には、体力を消耗しない、昼食を自炊できるなどのメリットがある反面、新たな出費が伴う。具体的には、空調などの電気代、非オフィス街での高い昼食代(自炊しない場合)、オフィスワークを効率化するためのデスク・チェアー・プリンター・ヘッドセット・ウェブカメラ・マウス・キーボードといったアイテムの購入費、そして、固定回線(光ファイバー)またはスマートフォン・モバイルWi-Fiルーターの大容量プランを契約していない場合に発生する、データ容量の追加チャージ料金である。

 販売データからは、在宅勤務への移行にあたり、自費でノートPC本体やマウスなどのPC周辺機器を自費で購入しているケースも少なくないと推測される。
 
在宅勤務にあたり、コンセントが足りないと気づいた人が多かったようだ

 「テレワークやローテーション勤務を推奨」「買い物は1人または少人数で」「(娯楽時に)狭い部屋での長いは無用、予約制を利用してゆったりと」といった、厚生労働省がまとめた「新しい生活様式」の提言は、人によって非常なストレスを強いる内容だ。「緊急事態宣言」期間中は「家にずっといなければならない」と真に受けると、体力はみるみるうちに低下し、在宅時間の増加に比例し、自宅の電気代が増えてしまう。
 
日常生活の各場面別の生活様式・働き方の新しいスタイル

 こうした状況下で、1000~2000円程度という最小の費用で、ストレスの緩和が期待できるアイテムが、USB充電器やノートPCの電源ケーブルをコンセントにつなぎっぱなしにできる電源タップや電源延長コードだったと思われる。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。