「ドン・キホーテ五反田東口店」

 6月1日に「ドン・キホーテ五反田東口店」がオープンした。品川区における同店舗の出店は今回が初。地下1階~6階の売り場は、1フロアの面積は決して広くはないが、各フロアでテーマを設定し、地域の特性を反映した都市型店舗を作り上げた。特徴や工夫をレポートする。

6月1日にオープンした「ドン・キホーテ五反田東口店」。
駅から徒歩5分という好立地にある

 五反田への出店はドンキにとっては“念願”だった。歓楽街の印象が強いが、近隣にはオフィスやマンションなども多く、需要は高いと見込んでいた。加えて、周囲には競合店が少ない。最近は大型商業施設やホテルが相次いで開業するなど、再開発の活発なエリアでもある。

 コロナ禍が収まらぬ中でのスタートとなったが対策は万全だ。入店前には「SOCIAL DISTANCE」と書かれたTシャツを着たスタッフが来店客を検温。入口には消毒液、レジには透明シートを設置する。1階はトレンドグッズや化粧品の売り場で、コロナ対策グッズが充実。消毒液には対策として有効といわれている「アルコール75%」を示す表記がされていた。
 
入店前にはスタッフが検温。レジは透明シートで仕切られていた
 
消毒液には「アルコール75%」のPOP。
コロナ対策に有効とのことで度数の問い合わせが多いという

 幅広い客層をターゲットにしているが、やはり五反田の代名詞といえる周辺の飲食店を意識した売り場づくりは特徴が際立っていた。地下1階の食品・酒類の売り場は照明を暗くし、ムードのある空間を演出。酒類のラインアップも独特で、他の店舗ではあまりお目にかからない高級酒も多く揃える。同じコーナーの中で罰ゲーム用のユニークな食品やアルコールチェッカーが売られているのもおもしろい。
 
ムーディーな雰囲気の地下1階の食品・酒類コーナー
 
飲食店からニーズを意識し、高級酒などを豊富に用意

 4階のブランド品売り場にもお土地柄からくるニーズがみえる。品揃えが豊富なだけでなく、レジに無料ラッピングコーナーを設け、プレゼント需要に応える。また、5階のバラエティーグッズを取り扱うフロアでは、もっとも目立つ入口の通路に大量のコスプレアイテムをズラリと並べ、お祭り感のある装飾で彩った。
 
ブランド品売り場のフロアには無料ラッピングコーナーを設置。
コスプレグッズも大量に取り扱う

 一方、6階の家電売り場はターゲットであるオフィスワーカーに合わせて、ガラリと雰囲気が変わる。売り場で目立つのは、オフィスで使用頻度の高いアイテムだ。メディアやPC周辺機器、スマートフォンアクセサリーなどのラインアップは郊外の大型店舗にも劣らないボリュームを実現。同売り場ではファミリー層も意識しており、フロアの奥に進んでいくと、生活家電や季節家電もしっかりと揃っていた。
 
家電売り場はオフィスワーカーとファミリー層のそれぞれにニーズのあるカテゴリーで分かれている

 店長の松野智彦氏によると「外出自粛の影響もあるが、予想以上にファミリー層の来客が多い」そうで、オープン後に一部でレイアウトの変更を行うなど、若干の方向転換をしたという。実際に取材時も地域住人の来店は多かった。食品・衣類・ドラッグ・雑貨などをトータルで取り扱う店舗が周辺にないだけに、期待は高いようだ。
 
松野智彦 店長

 最後に他店にはない独特の工夫を紹介したい。ドンキの店舗は基本的に窓が少ないのが特徴だが、五反田東口店は窓が多く、外の景色が一望できるようになっている。つまり、時間によって見える景色が変わる。連動するように店内の一部照明は時間によって自動で調光が変わる。昼と夜で客層が切り替わることを踏まえた目新しい演出だった。
 
時間帯で照明の調光が切り替わる
 
7階の駐輪場

 変わっている点でいえば、売り場の上のフロア(7階)を駐輪場としたことも新鮮だ。現在は地域住人による利用がほとんどだったが、これからは満員電車を避け、通勤手段を自転車に切り替える人も増えるはず。多様性のある街だからこその懐の深い店舗として、これからどのように街に馴染んでいくのか楽しみだ。(BCN・大蔵大輔)