政府や自治体で新型コロナウイルス対策としての外出自粛要請が強化されるに従い、デジタル家電市場がネット通販とリアル店舗と共に増加している。全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、デジタル家電市場全体の販売金額は4月に入ってから4月6日週が前年同期比113.7%、4月13週が117.1%と二桁増になった。中でも、ネットの販売金額の急増が市場全体をけん引している。


 新型コロナの感染拡大が国内で深刻化してきたのは、2月下旬からだった。イベント開催の自粛要請や3月2日から全国一律の休校要請が発表されるなど緊張感が高まった。デジタル家電市場全体は、ネットもリアルも前年を下回っていたが、潮目が変わったのは3月25日の東京都による外出自粛要請からだ。

 翌3月30日週からネットが前週の102.4%から121.4%に一気に19ポイントも急増し、市場全体も前週の87.3%から一転して104.5%となり前年を上回った。

 4月7日に政府が7都府県の緊急事態宣言を発令したほか、同じ週の4月10日に東京都が営業自粛要請の具体的な対象施設を公表すると、ネットはさらに前週から15.2ポイントアップの136.6%に増加。引っ張られる形でリアルも104.6%で前年越えに、市場全体でも113.7%という高い実績を示した。

 直近でも4月16日に緊急事態宣言が全国に拡大すると、ネットが140.8%、リアルが107.4%、全体で117.1%の販売実績となった。

 特に4月に入ってから不要不急の外出の自粛や「人との接触の8割減」が示されたことで、企業で在宅勤務やリモートワークが広がり、関連するノートPCやPC周辺機器、ネットワーク関連の商品などが売れている。テレビでもリビングで使う大型の有機ELテレビなどではなく、個室用や作業用とみられるインチサイズの比較的小さいテレビが売れている。

 緊急事態宣言が全国に拡大したことは、さらなる需要の拡大要因になるだろう。一方で家電量販店でも閉店時間を18時や19時にするなど、感染拡大対策で営業時間を短縮する動きが全国エリアに広がった。この点は、マイナスの要因だ。需要の伸びが一過性のものか、しばらく続くのか、注視する必要がある。(BCN・細田 立圭志)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンやデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。