洗濯機、買ったときの失敗談、「水道代が高くなった?」

時事ネタ

2020/03/25 18:00

 【家電コンサルのお得な話・5】 今回は筆者の親戚が実際に洗濯機の購入で経験した失敗談を紹介したい。ある日、急に洗濯機の脱水時の運転音が大きくなり、全く動作しなくなった。そのため、親戚の奥様は「毎日使うものだし、修理で日にちが掛かるのは困る。7年くらい使っているから買い替えよう」と考え、大手家電量販店のネット通販サイトをチェックしたとのこと。普段は私に相談の連絡があるのだが、今回は急いで買ってしまった。どんな失敗があったのか。


 親戚の奥様がサイトをチェックすると、5万円程度で7kgの洗濯機があった。洗濯ができないのは困るし、急な出費であることに加えて、今日注文したら明日配達してくれるということもあり、「これでいいか」という判断でそのままクレジットカード決済で購入した。

 今年の正月、自宅にお邪魔したとき、「水道代が少し高くなったみたい」という話から前述の事情を聞いた上で洗濯機を確認してみると「ノンインバータ」タイプだった。使用状況を聞くと、5人家族のため、最低でも1日に3回、4回は洗濯機を使うことも少なくないという。

 このように洗濯回数が多い使い方でノンインバータだと、水道代はそのくらい掛かることを伝えたが、インバータ自体を理解せずに購入してしまったらしく、落ち込んでいる様子が、すぐに見てとれた。

水道代の差額は大きい

 インバータとは、簡単にいえば「電気の直流を交流に変換する回路」のこと。一般的なメリットは図のように汚れ落ちがよく、運転音が静かで節水でき、電気代も安く抑えられる。

 インバータタイプなら、1回当たり20リットルで1日3回の洗濯を毎日すれば、水道代はノンインバータよりも1年間で約5300円、6年で約3万1800円節約できる。水道代の差額だけでペイできるかどうかのラインだが、夜の洗濯時の運転音や汚れ落ちなど、他のメリットを合わせて考えれば親戚の場合はインバータにすべきだっただろう。

 洗濯機に限らず、今や当たり前に搭載されている機能は各カテゴリで多い。家電製品を選ぶときは慌てず、「自分の生活ではどうなのか?」ということをぜひ考えながら選んでほしい。

 いくら購入時の金額が安くても、使っている耐用年数中、漠然とした不満を抱きながら使い続けるのは不幸なことだ。分かりにくければ販売員に相談してほしい。そのために販売員はいるのだし、「この商品にして良かった」という快適さを実感しながら家電製品を使っていただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。