中国・武漢から広がった新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の影響が、PC用のメモリ販売にも出始めている。BCNランキングの集計では、主要部品がDRAMのメインメモリの販売数は、昨年12月第1週(2~8日)で前年比211.2%だったが、2月第2週(10~16日)には96.2%と大幅に販売が縮小。逆に価格は同期間で15.8%上昇している。

 主要部品をNANDで構成するSSDに関しては、12月第1週の販売数が前年比146.0%から2月第2週に118.6%と小幅な販売減にとどまっているが、価格は9.3%上昇。同じくNANDが使われているSDカードなどのメモリカードは12月第1週と2月第2週で販売数に大きな変化はないものの、価格は同期間で2.7%とやや上昇している。
 
新型肺炎の影響でSSDも品薄と価格上昇が懸念される

 ある業界関係者によると、「販売の縮小は新型肺炎の発生以前から。価格下落を抑えるために供給量が絞られ、価格が上昇している。現時点の販売状況では、まだ新型肺炎の影響は出ていないが、今後出てくる可能性はある」と話す。

 別の関係者は、「かなり影響が出始めている。入荷が遅れ、結果として価格の上昇を招いている」として、すでに影響が出ているとの見方もある。また、「メモリチップ自体より、基盤や放熱板などの供給不足が影響する可能性もある」との指摘もあった。
 

 複数の関係者が口にするのは、いずれも「中国の工場での工員確保が不十分なため、生産体制整備に遅れが生じている」という点。春節で帰省していた工員の中には、まだ帰省先から帰ることができないケースもあり、人手が不足でフル稼働できないからだ。中国国内では、人の移動を制限しており、道路を封鎖している地点も多い。

 こうした状況から、新型肺炎の影響は少なくとも「5~6月あたりまでは引きずりそうだ」とする見方もある。世界の工場として機能してきた中国で、新型肺炎の影響で生産体制立て直しの遅れが続けば、今後、さまざまな製品の供給に影響しそうだ。(BCN・道越一郎)