全国の家電量販店やECショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、ベアボーンのメーカー別 年間販売台数シェア(2019年1月~12月)でNo.1に輝いたのは、ASRockだった。シェアは49.8%と過半数に迫る勢い。AMD Ryzen対応モデルが人気を博し、昨年のシェア22%から倍以上ものポイントを上積みした。

ベアボーンのメーカー別年間シェアで、ASRockは半分近くのシェアを勝ち取った
 
年始はインテルが優勢だったが、ASRockが巻き返した

「DeskMini A300 Series」だけでベアボーン市場で30%以上のシェアを勝ち取る

 ベアボーンとは、ケース・電源・マザーボードなど、ベースとなる部品だけで構成されたパソコンのこと。CPU・メモリ・ストレージなどは、別途購入して取り付ける。
 
人気を誇るDeskMini A300 Series

 このベアボーン市場において、ASRockは2019年、49.8%という圧倒的なシェアを獲得した。けん引役となったのが、シンプルなデザインとコンパクトなきょう体が特徴の「DeskMini」シリーズだ。もともとはインテル製CPU対応モデルのみラインナップしていたが、2019年2月にRyzen対応モデル「DeskMini A300 Series」を発売。同製品だけで、ベアボーン市場で30%以上のシェアを獲得したというから驚きだ。

 コストを抑えながらも省電力で映像性能も高いAMD Ryzenに対応し、同CPU対応モデルでは類がないコンパクトなきょう体を備えるDeskMini A300 Series。セカンドPCに求められる要素をすべて備えた本モデルが、Ryzen人気に伴い好評を博したのもうなずける。ASRockのシェア1位は、DeskMini A300 SeriesがAMDユーザーの需要を掘り起こした成果と言えるだろう。

マザーボードのシェアを堅実に伸ばした新シリーズ「Steel Legend」

 パソコンの自作歴の長いユーザーなら、「ASRockといえばマザーボード」と思い浮かべることも少なくないだろう。そのイメージ通り、マザーボードのカテゴリーにおいても、ASRockの人気は堅調だ。マザーボードのメーカー別販売数量シェアにおいて、ASRockは2019年12月に32.8%のシェアを獲得し、2位についている。2019年1月には1位・ASUSと13.4ポイントもの開きがあったが、その差をじりじりと詰め、7.8ポイントまで縮めている。
 
1位・ASUSとの差は12月時点で7.8ポイントまで縮まった

 これまでASRockの人気を支えてきた看板シリーズといえば、ハイエンドの「Taichi」だ。ハイエンドながら価格と性能の両立を目指し、良好なオーバークロック性能もユーザーから高く評価されている。

 Taichiシリーズに加え、日本のユーザーの声をもとに製品化した新シリーズ「Steel Legend」も、ASRockのシェア拡大に貢献した。2019年2月に発売した本シリーズは、1万円台前半とミドルグレードの価格帯で展開しながらも、高品質コンポーネントを搭載し、高い耐久性を実現。ASRock人気に拍車をかけた。
 
日本のユーザーに寄り添った「Steel Legend」シリーズ

 また、もともとASRockはAMDに強いメーカーでもある。ここ数年のRyzen人気の高まりが、コストパフォーマンスに優れたASRockの需要に火を付けていることは想像に難くない。

AMD RadeonのGPUでビデオカード市場に挑む

 グラフィック処理にとどまらず、ディープラーニングをはじめとした高度な計算処理にも活用されているGPU。PCにおけるGPUの役割・重要性の高まりと呼応するように、ASRockも2018年、ビデオカード市場へ参入を果たした。
 
ASRockのビデオカードラインアップ(左から、「Phantom Gaming」シリーズ、「Taichi」シリーズ、「Challenger」シリーズ)

 AMDを得意とするASRockらしく、展開するビデオカードに搭載するGPUはすべてRadeon。コストパフォーマンスに優れた「Challenger」シリーズ、ゲーミングに特化しクロック数にも優れる「Phantom Gaming」シリーズ、ハイエンドでビジネス用途もにらむ「Taichi」シリーズと、三つのシリーズを展開する。

 Radeon初となるRGBのLEDを搭載したモデルや、ビデオカード内部にサンダーボルトポートを備えるモデルなど、先進的な取り組みで差別化を図るASRock。NVIDIAが大きなシェアを握るビデオカード市場で、今後どのように成長していくのだろう。2020年のASRockはベアボーン、マザーボードだけでなく、ビデオカード製品にも注目したい。