【家電コンサルのリテールマーケティング 特別編】特番が多い年末年始はテレビを見ながら過ごすという方も多いだろう。ブラウン管テレビから液晶テレビに移り変わって久しいが、現在の薄型テレビは主に2つのタイプがある。有機ELテレビと液晶テレビだ。一般の人には「名称は聞いたことがあるが、両方とも薄いテレビということしか知らない」という方も多いだろう。それぞれの特徴を、図で簡単に比較してみた。


 有機ELテレビは、液晶テレビのようなバックライトがない分、より薄くて軽量であるため壁掛けに適している。高画質・高視野角に加えてスポーツ選手などの動きにも強い。

 一方で価格はまだ高いのに加えて、明るい部屋では見にくく、画面の焼き付きや寿命が短いなどの難もある。そのため、安いからといって展示処分品などの購入は避けたほうが賢明だ。

 液晶テレビは、長寿命で明るい部屋でも見やすく、同じ画面を表示していても焼き付きが起こりにくい。有機ELに比べて、低価格だがバックライトを使っているため、厚くなりやすく重量があり、視野角も狭い。

 このような両者の特徴を踏まえながら、それぞれに適した家庭を考えてみよう。

 有機ELテレビの場合は、(1)共働きの家庭、若年者夫婦の家庭、(2)スポーツの観戦や撮影したものを多く見る家庭、(3)映画をよく見る家庭――などが挙げられる。

 有機ELテレビは今のところ寿命が一番のネックになるため、共働きの家庭のように「帰宅後、休日の視聴」といった限られた時間での利用なら使用年数も伸びて寿命は気にならないだろう。

 また、自家発光方式のため素早い動きに追随したり、液晶のようなバックライトがない分、深みのある黒色を再現できる。スポーツ観戦や映画などを趣味にしている家庭には最適な上、どの角度からでも見やすく、目の負担などストレスが感じにくいので多人数の家族にもおすすめだ。

 一方の液晶テレビは(1)高齢者の家庭、(2)小中高生の居る家庭――などに適している。

 地上波のニュースやワイドショーなどの一般的な番組をつけっぱなしにして長時間見るには寿命の長い液晶テレビが適している。昼間や部屋に日が差し込んでも見やすいため、高齢者の家庭にも適している。

 また、ゲームのように表示の一部が固定される場合でも焼き付きが起こらないため、ゲームをよくする小中高生のいる家庭に向いているといえる。

 このように有機ELテレビ、液晶テレビはそれぞれにメリットとデメリットがあるため、せっかくのテレビ購入にあたっては、自分の生活パターンに合ったものを選んでいただきたいと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile

堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。