「来年は広島から世界大会にチャンレジできる人が出るように頑張っていきましょう」――。エディオンは12月21日、広島本店・東館9階のイベントスペース「紙屋町ホール」で小学生と中学生を対象にした第1回「エディオン ロボットアカデミーカップ」を開催、営業本部営業戦略統括部の森重圭史ロボットアカデミー推進部長が開会宣言してスタートした。

エディオン広島本店で開催された
第1回「エディオン ロボットアカデミーカップ」

中国・上海の教育用ロボット企業と独占契約

 エディオンは、2018年12月からロボットプログラミング教育事業の一貫として「エディオン ロボットアカデミー」を開校。小学3年生~中学3年生にロボットの組み立てやプログラミングを指導している。単に知識やスキルを習得するだけでなく、子供の創造力を育み、主体的な学びの実践を目指した活動だ。

 19年1月から兵庫県西宮市のエディオン西宮店で開校した西宮校には、26人が参加。3年かけて修得するカリキュラムをわずか1年で一定レベルに達し、12月14日と15日に中国・上海で開催された世界大会に小学生1チーム、中学生1チームの合計2チームが参戦した。
 
エディオンの森重圭史ロボットアカデミー推進部長

 広島本校も「西宮校に続け」と6月に体験会を開催し、7月から1期生34人でスタート。現在の生徒数は81人まで増えている。12月21日のエディオン ロボットアカデミーカップでは、日ごろの教室での成果を競い合った。

 教室で使う教材は、ロボットプログラミング教育事業で20年以上の実績を持つ中国・上海の「Shanghai PartnerX Robotics」の教育用ロボット「Abilix(アビリックス)」。PartnerXは、世界50カ国以上でロボット教材を展開しており、300以上の直営校のほか2万1500以上の小・中学校、1000以上の大学で使われているという。
 
教材は中国・上海の「Shanghai PartnerX Robotics」の
教育用ロボット「Abilix」

 エディオンは、PartnerXとロボットプログラミング教育事業で国内展開の独占契約を結んでおり、日本向けのテキストやカリキュラムを提供する。

 生徒は、PartnerXがスポンサーとして開催する世界大会「World Educational Robot Contest(WER)」への参加を目標に据える。先述の上海の世界大会には、世界50カ国から予選を勝ち抜いた1700チーム、約5000人が参加した。残念ながら西宮校のチームは上位入賞できなかったものの、チームワークが評価されてベストチーム賞を受賞した。
 
西宮校の生徒は12月に中国・上海で開催された世界大会に参加した

 なお、12月23日に記者会見で発表したロボットプログラミング教室「ロボ団」を運営する「夢見る」の完全子会社化とは別の事業となる。エディオンは、ロボットプログラミング事業で自社のロボットアカデミーとロボ団の二つの事業を平行して展開することになる。

 森重部長は、「エディオンが長年築いてきたブランド力を生かして、親御さんが安心してお子さんを預けられるのを強みに社会や地域に貢献してきたい」と語る。

 森重部長自身、小学生のときに紙屋町ホールで毎週日曜日に行われていたテレビの公開収録番組を見ながら、月曜日にクラスの友だちと話題にするなどして育った一人。今では、コンテンツの中身がロボットやプログラミングに変わりながらも、依然としてエディオン広島本店が地元でカルチャーの発信拠点の役割を果たしている。
 
会場になったエディオン広島本店の「紙屋町ホール」

 当日の大会のルールは、3×6のマス目に記されたテーブルに置かれた障害物をロボットが持ち上げたり、押したりしながら所定の場所に移動させた後、スタート地点まで戻るというもの。制限時間は300秒で、難易度に応じて六つのミッション(うち二つは当日発表)が課せられる。

 大会は午前10時からスタートし、午前中にミッションをクリアするためのロボットの制作とプログラミングを作成。プログラム通りに動作するかどうかを確認する。昼休みを挟んで、午後から二つのステージで本番が行われた。親は周囲から見守るだけで、声をかけてはいけない。
 
午前中はミッションをクリアするためのロボットやプログラムを作成する

 つくったロボットのこだわりのポイントなどを1分間プレゼンした後、プログラムデータを格納した操作部のボタンを押す。真っすぐに進むべきところを斜めに進んでしまったり、練習中にうまく動いていても本番では動かなくなったりするトラブルが起きても冷静に対応しながら、目を輝かせて大会を楽しむ子供たちの姿が印象的だった。
 

 エディオンでは20年1月に名古屋の星ヶ丘校を開校するなど今後も各地の店舗で開校していく予定。すでにPartnerXからは国内予選大会の運営も任されており、生徒の世界大会への輩出を後押しする。(BCN・細田 立圭志)