売上高1兆円規模のドラッグストア業界ナンバーワン企業の誕生に向けて、業界5位のマツモトキヨシホールディングス(マツキヨ)と業界7位のココカラファイン(ココカラ)が経営統合に乗り出した。8月22日に開催した両社の共同記者会見で、経営統合に向けて一気にアクセルを踏んだのがココカラファインであったことが明らかになった。

握手するマツモトキヨシHDの松本清雄社長(左)、
松本南海雄会長とココカラファインの塚本厚志社長

 マツキヨの松本清雄社長は、「資本業務提携からはじめてもいいと思ってラブレターを送って(返事を)待っていたが、一気に経営統合ということで再びナンバーワンに返り咲くことができる」と期待する。

 ココカラファインの塚本厚志社長にとってマツキヨの魅力は、PBなどの商品開発力とマーケティング、店舗運営にあった。「マツモトキヨシのPB商品は洗練されていて、当社の社員に聞いても、欲しいという。われわれにも開発チームはあるが足元にも及ばない」(塚本社長)と絶賛するほど。まずは、マツキヨとPBを共同開発するより、自社の店舗でマツキヨのPB商品を扱っていくことで収益性を高める意向だ。
 
ココカラファインの塚本厚志社長

 マツキヨにとっては、ココカラが食品を扱わずにドラッグとビューティーに絞っている点と、都市型店舗の多い点が魅力的に映った。マツモトキヨシHDの松本清雄社長は「人口が減る地方で売り上げを立てるのは厳しい。都市部で展開することで若いお客様に楽しんでいただける店舗展開ができる」と、都市部で展開していく考えを示した。

 また「単に両社が統合しただけでは当社の収益性が下がる」と松本社長は語る。1.9%程度だった子会社のぱぱすの営業利益率が、マツキヨと一緒になったことで5%程度まで上がってきたこれまでの実績を踏まえながら、ココカラの3%程度をマツキヨと同じ水準の「5~6%に高められる」と、ココカラの利益率の改善に自信を見せる。
 
マツモトキヨシHDの松本清雄社長

 ドラッグストアの業界再編を巡っては、19年4月にココカラがマツキヨと資本提携の協議を開始すると発表したが、のちに業界6位のスギホールディングス(スギ)が経営統合をココカラに打診し、ココカラの争奪戦が繰り広げられていた。

 最終的にココカラは8月14日にマツキヨとの協議を開始すると発表。マツキヨとスギとの資本業務提携を検討するにあたって客観性と公平性を確保するため、6月10日付で特別委員会を設置。両社の経営統合に向けて委員会が検討した結果報告を、8月7日付で委員会から受けて、14日の取締役会でマツキヨと独占的に協議することを決議した。

 19年3月期のマツキヨの店舗数は1654店舗、売上高は5759億円。ココカラファインは1354店舗、売上高が4005億円で、単純に合計すると3008店舗、売上高9746億円になる。19年5月期の店舗数が2082店舗、売上高が7824億円で業界トップのツルハホールディングスを上回る。

 両社は今後、経営統合に向けた準備委員会を設置し、2020年1月末を期限として独占的に交渉を進める。双方の協議や交渉が継続する場合、期限は延長される。