【「駅すぱあと」の今までとこれから・9】 ヴァル研究所(ヴァル研)は、MaaSによるシームレスな移動を実現しようとしており、経路検索サービス「駅すぱあと」をベースに新しいビジネスの確立に取り組んでいる。「駅すぱあと」はユーザー企業による交通費をはじめとした経費精算の簡便化も実現するものだ。企業の社員や管理部門などの業務効率化を目指し、これまで「駅すぱあと」を通じて多くのベンダーとパートナーシップを組んできた。その1社がエイトレッドだ。

エイトレッドの稲瀬敬一社長(左)とヴァル研究所の太田信夫社長

 ヴァル研とエイトレッドのパートナーシップで実現したサービスは、エイトレッドのクラウド型ワークフローシステム「X-point Cloud(エクスポイント クラウド)」とヴァル研のクラウド型API/GUI「駅すぱあとWebサービス」が連携した「経路検索オプション」。2016年2月23日から提供している。

 X-point Cloudは、交通費精算、出張・旅費精算書、通勤費などの申請書類を電子化。経路検索オプションでは、電子化した各申請書類から「駅すぱあと」を呼び出すことによって、発着経路、運賃が自動入力できる。

 経費精算を行う社員にとっては、さらに申請が簡単になる。管理部門にとっては、社員の定期区間を事前に登録することで、申請経路から定期区間を自動除外でき、入力とチェックの手間が大幅に軽減する。
 
「経路検索オプション」の仕組み

 エイトレッドの稲瀬敬一社長は、「お客様から要望があったので、X-point Cloudで経路検索を提供することになった。自社開発を模索したが経路検索を得意とするベンダーとパートナーシップを組んだほうが、いち早く顧客ニーズに応えることができると判断した」と振り返る。実際、ヴァル研を含めた複数社と交渉。「Win-Winの関係を築くことができる」(稲瀬社長)と、ヴァル研の経路検索エンジンを活用することになった。

 スタンダードプランで初期費用14万円、1ユーザー当たり月額500円など低コストで導入できるX-point Cloudは、約5万3000ユーザーという実績を持っている。経路検索オプションは、初期費用5万円、1ユーザー当たり月額150円からと低価格に設定。そのため、「お客様が堅調に増えている」と稲瀬社長は自信をみせる。
 
エイトレッドの稲瀬社長

 この連携によって、ユーザー企業の業務効率化に寄与することになったが、稲瀬社長は「企業では、それぞれの部門で本来行うべき業務がある。にもかかわらず、雑務に追われているケースが多い。それを解決するのが当社の使命」と前置きした上で、「働きやすい環境が整えば、情報を収集したり、アイデアを出したりと、改善・改良を常に考えた『創造的仕事』が実現できるようになる」と訴える。

 Win-Winの関係を築けるとの判断から、エイトレッドとヴァル研とパートナーシップを組んが、ほかにも理由がある。ヴァル研の太田信夫社長は、「エイトレッドさんのお客様に提供しようとしていることが一致したから」という。これは、ユーザー企業による「創造的仕事」の実現ということだが、加えて、「創造的仕事によって仕事のスタイルが変わり、生産性が向上して余裕が出てくれば、ライフスタイルも変化して豊かになる」(稲瀬社長)。この考え方を両社はともに持っていたからなのだ。

 また、稲瀬氏と太田氏がそれぞれ社長に就任したのは同じころ。稲瀬社長は、「そのあたりも、何かの縁だったのかもしれない」と嬉しそうだ。

 エイトレッドとヴァル研のパートナーシップが継続していけば、今後はヴァル研が新しく取り組んでいるMaaS関連でもパートナーシップを組む可能性を秘めている。エイトレッドとヴァル研は、引き続きユーザーのライフスタイルを豊かにすることに力を注いでいく。