【家電コンサルのリテールマーケティング 特別編】 いよいよ4月1日の新元号の発表まで残すところ2日となった。5月1日に改元されるまでの1カ月間は、家電量販でも大規模な改元セールの実施が予想される。今回は生前退位ということもあって、喪に服した前回と決定的に異なり「国を挙げてのお祝いごと」だからだ。

平成の改元時は「縁起物」のブライダル需要が伸びた
平成の改元時は「縁起物」のブライダル需要が伸びた

 ここでポイントになるのは、「平成最後(さよなら平成)」という限定訴求と新元号という新時代到来の二つの訴求の使い分けだ。特に、タイムリーに動ける店舗側では、売り場での訴求を臨機応変に対応できるか否かによって販売実績にも差が生じるだろう。

 また、本部では「最大31%ポイント還元」や「3万1000円、31万円の福袋(セット組み)」など、平成31年の「31」という数字にかけた販促やキャンペーン、「3万1000円以上お買い上げのお客さまに向けた抽選会」のように全商品を対象にしたイベントも行われるのではないかと筆者は考えている。

 店舗としては、例えどのような販促キャンペーンが入ったとしても、本部施策に連動した売り場をつくり、露出度を高めていくことが期待される。

 一方、消費者の購買イメージのキーワードとして1.縁起物、2.新しい生活、3.10連休、などが挙げられ、店舗はこれらに対応する必要がある。

 1の縁起物では、やはりブライダル需要の獲得だろう。厚生労働省の人口動態統計によると、平成の改元時は自粛ムードで約70万件だった婚姻件数は、平成が始まるとともに約80万件まで伸びた。また、2000年の世紀末から2001年の新世紀の始まりも婚姻件数は伸びている。

 実際に、今回もブライダル業界では「平成最後」と「新元号」の二つのパターンで需要を獲得している。家電製品もブライダルに合わせたまとめ買い需要が見込めるため、店舗では対象カテゴリを拡大し、セット組みを行うなどして買上点数のアップを狙いたい。

 2の新しい生活では、リフォーム需要も獲得できるだろう。店頭では来店客に一声かけてリフォームを紹介するとともに、単価が高いため、消費税率アップの駆け込み前の早期成約特典などを合わせてアピールするといいだろう。

 最後に、改元に伴って10連休になる企業も多いため、4月に入るとデジタルカメラやデジタルビデオカメラ、変圧器など、旅行需要も取りこぼさないようにしたい。旅行会社のサイトなどを参考に、人気の旅行先の国の装飾を施すなど、顧客のイメージを掻き立ててほしい。慶事として迎える今回の「改元」を心から祝福しながら、顧客に最適な商品を提案していただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。