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消費税の駆け込みもあって、今年のエアコンはいつが買い時?

売るヒント

2019/03/25 18:05

【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.18】 エアコンの年間出荷台数が増加している。10年前は基本ベースが約750万台だったが、2010年度を境に約800万台となり、今や900万台も珍しくなくなっている。エアコンは気温に左右されやすい商品だが、例年続く猛暑に加えて、各部屋ごとの設置や寒冷地仕様の性能アップが好調の要因となっている。エアコンの買い時はいつなのかを探る。

品切れ、設置キャパのオーバーが想定

 今年の10月1日は消費税率のアップが予定されており、家電製品ではエアコン冷蔵庫、テレビ、PCなどが売れると予想されている。過去の税率アップが4月1日だったことを考えると、駆け込み需要のタイミングと内容に変化が現れるだろう。そして、仮に夏が猛暑に見舞われれば、消費者の購買はエアコンに集中することが容易に想定される。

 結果として、7月中旬から売れ筋のエアコンの品切れや工事・設置能力のオーバーが発生し、取り付けは9月以降にずれ込むことが十分に予想できる。特に付加価値機能に優れ、割安感のある家電量販各社のオリジナル商品はあらかじめ生産ロットが決まっているため、想定よりも早い時期に品切れになる可能性が高い。

 顧客からすれば、「使いたい肝心な時期にエアコンが間に合わない」「満足いかない商品を購入し、10年間漠然とした不満を抱えながら使い続ける」という、この上ない不幸な状態に陥る人も多く発生するだろう。当然、需要が上回り、品薄状態になった商品は売り手有利になるため、安売りする必要もなく、8月以降は割高な商品を購入するしかないという状況も考えられる。

 これらを考えれば、今年のエアコンのお買い得な時期は、ズバリ、4~6月の早期購入だ。例年、量販各社は4月頃からエアコン早期購入の特典を付けることが多く、需要の前倒しを狙って実施する。今年はさらに消費税率アップが加わるため、拡大する需要を他社より1件でも多く獲得したいと思うのは当然の流れであり、早期の購入特典も強化され、工事などを含めたトータルで割安に購入できる可能性が高い。

 これに加え、4、5月は改元に伴う10連休があり、「改元セール」も予想できるため、今年、エアコンの購入を検討している顧客は4~6月の早期購入を検討するのがお買い得だといえるだろう。

 家電量販店からすれば、早期購入特典の訴求を強化して、複数台の購入を提案することは、顧客に今年の夏、そして今後の10年間を快適に過ごしてもらえるようにし、長い目でみたストアロイヤリティーと顧客満足度を向上させる上で、大切な取り組みだと筆者は考える。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)


■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。