【「駅すぱあと」の今までとこれから・1】日本初の乗換案内ソフトとして、市場にその名を轟かせたヴァル研究所(ヴァル研)の「駅すぱあと」。2018年2月22日に発売から30周年を迎え、これからも進化を遂げようとしている。



 「駅すぱあと」は、さまざまなシーンで最適な経路情報を提供する製品・サービスの総称。路線図や入力画面を見やすく操作しやすいなど、徹底的にユーザーインターフェースを追求。指定の駅間を走る列車の表示や、時刻表の表示・印刷といった便利な機能も搭載している。全国の鉄道路線図のほか、Windows向け製品では船の海路図、コミュニティバス路線図など、交通機関ごとに路線図を用意し、特に鉄道は各都市圏の詳細路線図だけでなく全国の路線図も縮尺を複数パターン用意している。料金(運賃)、検索経路の精度は、常に正確で最新の情報を提供していることが強みだ。

 直近では、JRグループの秋の臨時列車などに対応した「駅すぱあと(Windows)2018年10月」が10月5日に発売となる。新バージョンでは、全国の鉄道として167社、約9100駅、約1100路線をカバーしていることに加えて、もちろん、路線バス、航空、船などの情報も収録。経路検索や路線図(鉄道、バス)、定期券計算などの機能も搭載している。JRグループの「秋の臨時列車」や京阪電気鉄道、阪急電鉄宝塚線、能勢電鉄のダイヤ改正、千葉中央バスのダイヤ対応なども実現している。
 
10月5日に発売予定の「駅すぱあと(Windows)2018年10月」

 1988年に“初代”の「駅すぱあと首都圏版(MS-DOS)」が誕生して以来、経路検索システムのパイオニアとして業界をけん引。その後、バージョンアップおよび年間サポートをはじめ、発売から10周年に「Yahoo!路線情報」で経路検索サービスを開始したり、25周年にポータルサイトを立ちあげたり、近年はMaaSを意識した実証実験などに取り組んだりと、さまざまな歴史を刻んできた。誕生した2月22日は、“駅すぱあとの日”として日本記念日協会への記念日登録も行っている。
 
ヤフーに経路検索サービスを提供

 今では、経路検索だけでなく、交通費精算や通勤費の支給計算、自社ポータルサイトへの経路検索サービス付加、モバイル利用などを提供し、法人や個人のさまざまなニーズに応えている。「駅すぱあと」の普及によって、多くのユーザーは公共交通機関の経路検索、運賃計算の手間を大幅に軽減して、「時間」と「安心」を創出できるようになった。これは、正確な情報を提供して高い信頼を得ているからこそ、そして顧客視点に立った利便性を追求しているからこそだ。

 公共交通機関の経路検索や運賃計算の製品・サービスは、今や当たり前となっているが、「駅すぱあと」が登場した当時、誰も使ったことがなかったということもあり、ヴァル研にとっては苦労した時期もあったようだ。市場で認知してもらうために惜しみない努力も重ねたという。この連載では、「駅すぱあと」に関する今までの歴史を振り返るとともに、今後のイノベーションについて探っていく。

 なお、ヴァル研は未来のビジネスパートナーとなり得る企業を集めたイベントを10月23日に開催する。このイベントでは、「駅すぱあと」を中心に今後のビジョンやコラボレーションの可能性などについて発表することを予定している。