2017年9月20日に日本でローンチした法人・個人事業主向けの購買専用サイト「Amazon Business」。Amazon.co.jpの使い勝手はそのままに、請求書払いや自社の購入傾向や履歴の可視化、購入分析・レポートなど、ビジネス用途に特化した機能を備えたサービスは、もうすぐ1周年を迎える。9月11日にアマゾンジャパンはメディアブリーフィングを開催し、直近の利用状況と機能アップデートについて説明した。

もうすぐ1周年を迎える「Amazon Business」はユーザー・販売事業者ともに大幅に拡大。
さまざまな機能アップデートも

 Amazon Businessの導入国は現在、8カ国にまで拡大。日本は、4カ国目の導入国だ。米国本社から来日したAmazon Business International Vice Presidentのスティーブ・フレイザー氏は、「法人向けにおける非計画購買の課題は、グローバルで共通しており、いずれの国でも同じような成長曲線を描いている」とサービスの好調ぶりを語った。
 
Amazon Business International Vice Presidentのスティーブ・フレイザー氏

 すでに世界で数百万社が利用し、100億ドル以上の売り上げを達成しているが、そのうち50%以上がAmazonではなく販売事業者の商品によるものだという。「ユーザーは、購入プロセスを単純化して購買コストを下げることができる。販売事業者は、新規顧客を開拓して売り上げを伸ばすことができる。双方にメリットのあるサービスに育っている」(フレイザー氏)。

 詳細な数字は明かされなかったが、日本ではこの1年でユーザーと販売事業者は右肩上がりに伸びている。好評なのは、「支払方法の柔軟性」と「豊富な品揃え」だ。前者は、特に請求書払いのニーズが高く、年商300億円以上の企業であれば70%以上がこの方法を利用している。これは世界でもトップクラスの利用率だという。直近では日本の商習慣に合わせて「検収払い」にも対応し、こちらも利用者を増やしている。
 
ユーザーと販売事業者ともに拡大中。業種を問わず幅広い法人ニーズを獲得している

 後者は、個人向けサービスにも共通するポイントだが、購買に複雑な手順が必要な法人にとってメリットが大きい。Amazon Business事業本部長の石橋憲人ディレクターは、「介護施設やレストランチェーンなど、多店舗経営している企業では、購入アイテムの分野は多岐にわたる。購買先の選定、請求書の一本化などができるAmazon Businessは、コスト抑制に大幅に寄与する」と事例を紹介。ユーザーのなかには、「請求書数を30%削減」した企業や「商品調達・経費管理の労働時間を年間9000時間削減」した企業もあるそうだ。
 
Amazon Business事業本部長の石橋憲人ディレクター

 さらに使い勝手を高めるため、機能のアップデートも行っている。7月末に開始した「オンライン入札リクエスト」は、大量購入する場合にボリュームリスカウントを依頼できる機能。ユーザーが数量の指定とともに依頼すると、該当商品の販売事業者が入札し、さらに割安な価格を提示するという仕組みだ。
 
新機能の「オンライン入札リクエスト」

 また、企業内の購買をコントロールするための機能として「推奨商品・推奨販売者」「制限カテゴリー」も実装。「推奨商品・推奨販売者」は、企業として推奨したい商品や販売事業者に管理者がフラグを立てることができる機能で、他の社員による類似商品の購入を抑止するときに役立つ。逆に、「制限カテゴリー」は企業として購入を制限したいカテゴリーにフラグを立てる機能。制限カテゴリーのアイテム購入時には、管理者の承認フローを追加することもできる。
 
企業内の購買をコントロールするための「推奨商品・推奨販売者」「制限カテゴリー」

 なお、Amazon Businessでは個人のAmazonプライム会員と同様に、お急ぎ便やお届け日時指定便が無料になる期間限定のビジネスプライム配送特典を提供しているが、10月下旬に終了する。今後は、米国や独国で実施しているビジネスプライムをモデルに、新しい利便性の高いサービスに転換していく予定だという。日本でのAmazon Businessは、Amazon流に言い表すなら「Still Day One(まだ1日目)」。これから大幅なアップデートがまだまだ待っていそうだ。(BCN・大蔵 大輔)