ケイ・オプティコムは、同社がMVNOとして提供するモバイル通信サービス「mineo(マイネオ)」で、ソフトバンク回線を利用した「Sプラン」の提供を9月に開始する。同社では、すでにau回線を用いた「Aプラン」およびNTTドコモの回線を用いた「Dプラン」を提供しており、初の「トリプルキャリアMVNO」になる形だ。

 また、ソフトバンク傘下となったLINEモバイルも、従来提供していたドコモ回線によるサービスに加え、7月2日から同料金でソフトバンク回線も選択可能となった。サービス内容はほぼ同じだが、ソフトバンク回線のユーザーには「格安スマホ最速チャレンジ」として、定期的に計測・公開する通信速度が月に1回でも1Mbpsを下回った場合、1GBのデータ通信容量を無償提供するキャンペーンを実施する。

 このほか、日本通信、Uモバイル、ソニーネットワークコミュニケーションズなども、すでにソフトバンク回線を用いた通信サービスを開始している。ただ、これら各社のなかで、MVNO市場におけるシェアはmineoが最も大きく、同社がソフトバンク回線のサービスを始めることには一定の影響力がありそうだ。

 各社とも、回線の違いによるサービス内容の違いは極めて少ない。一部の山間部では、ドコモ回線が強いといった傾向があるが、一昔前に比べればサービスエリアの広さの違いは小さくなっている。どの回線を選んでも、大きな違いが体感できないというユーザーは多いだろう。

 それでも各社が「マルチキャリア」に走るのは、現在でも市場ではSIMロックがかかったままのスマートフォンが大半を占めるからだ。今ではドコモ、au、ソフトバンクとも、条件を満たしていればウェブ上で簡単にSIMロック解除を行えるが、ケイ・オプティコムの調査によると、SIMロックに関する知識があっても、解除手続きはわずらわしいと考えているユーザーが多いという。また、SIMロック解除を行えるのは、その端末を購入した契約者本人に限られるため、中古端末を買ってもロックを解除することができない。
 
「Sプラン」発表時の説明資料によると、解除手続きを面倒に感じるユーザーは多い

 ソフトバンクは、これまで大量のiPhoneを販売しており、中古端末の販売店やネットオークションなどで容易に入手できる。また、使い古しのiPhoneが机の引き出しに眠っているソフトバンクユーザーも多いだろう。MVNO各社のソフトバンク回線プランは、わずらわしいSIMロック解除のことを考えなくても、それらのiPhoneでそのまま利用できるのが最大のメリットだ。

 ソフトバンク回線でのサービスを提供するMVNOがさらに増えれば、ソフトバンク版の中古iPhoneは利用価値が増す格好になる。中古市場での流通量や価格にも影響を与える可能性がある。