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オーディオメーカーの次なる市場は? オンキヨーが開拓する新分野とは

 オンキヨーは4月10日、中国の家電メーカーTCL Multimedia Technology Holdings(TCL Multimedia)の傘下グループと、ヘッドホンやサウンドバー、ミニコンポなどのオーディオ商品の分野で、業務提携することに合意したと発表した。AI搭載製品の共同開発も視野に入れており、昨年末から続くAI/IoT分野への取り組み強化の一環とみられる。

2017年11月にオンキヨーが発売した高音質スマートスピーカー「G3(VC-GX30)」

 今回の提携でオンキヨーは、TCL Multimediaの販売チャネルを活用し、ONKYOブランドのヘッドホン、サウンドバー、ミニコンポなどを全世界で展開できるようになる。TCL Multimediaには、同社の主力製品であるテレビの音質強化で協力していく。

 また、TCL Multimediaのテレビ事業を基盤としたスマートTVの開発やスマートホームビジネスへの事業展開を図っていくという。具体的には、AI機能を付加した商品などの共同開発を進める方針だ。

 TCL Multimediaは、全世界でオーディオを含めた家電の研究開発、生産、販売を一貫して手掛けており、とくにテレビ業界では有力な企業。2017年12月の本決算では売上高が408億2235万7000香港ドルに達し、同社の出荷データとHISテクノロジーのデータによると、液晶テレビの世界シェアでは第3位(約10.9%)の販売台数を誇る。

 オンキヨーは18年3月に、連結子会社であるオンキヨー&パイオニアイノベーションズとPhilipsブランドの販売代理店契約を結んでいるギブソンイノベーションズの不振から、純利益では赤字が膨らむ予想を行った。

 その一方で、4月2日には音とAIの融合を目指すEYS-STYLEと資本業務提携を結んだ。さらに、AIにつながるヒアラブル市場へ向けた商品の共同開発について、ネインと基本合意しており、すでに「Amazon Alexa」対応のスマートスピーカーを発売している。

 オンキヨーは自社でも「Googleアシスタント」と「Chromecast built-in」を搭載したスマートスピーカーを17年11月に発売した。これからは、オーディオ機器メーカーの経験を生かし、AI/IoT分野で市場を開拓していくことで事業の拡大を目指す。