富士通は青山商事と共同で、人の視線から心理を推定するAI技術の実証実験を実施する。来店客の関心や迷いをAIで捉え、商品の提案や接客の支援に役立てる。実験は、青山商事が運営する「洋服の青山」の福山本店と池袋東口総本店で4月6日から27日まで行う。

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各種店舗向けソリューションが展示された「リテールテックJAPAN」の富士通ブース

 3月9日まで東京ビッグサイトで開催されている展示会「リテールテックJAPAN 2018」で、同技術のデモンストレーションが行われた。男女の衣服を着せたマネキンを顧客が10秒間注視すると、顧客がとくに関心をもっているアイテムや関連する商品・サービスをデジタルサイネージに表示する。視線と同時に性別や年齢層などの顧客属性も分析し、男性客がレディース商品に関心をもっていた場合は、プレゼント需要を見込んだ商品提案などを行う。
 
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マネキンを10秒間見つめると関心に応じた商品が紹介される

 富士通研究所は、これまでも視線の動きから人の心理を推定するAI技術の研究を行ってきたが、最新のセンサでは数メートル離れた場所にいる人の視線を、事前のユーザー登録・補正なしで検知できるようになったことから、今回のシステムが実現した。実証実験ではデジタルサイネージでの商品紹介を行うだけでなく、店員が携帯する情報端末に関連商品を通知することで、店員による追加提案も行っていく予定。

 そのほか、リテールテックJAPANの富士通ブースでは、デジタルサイネージの動画にURLなどの情報を埋め込む技術も紹介。サイネージ画面に表示された商品を、顧客がスマートフォンのカメラで読み取ると、当該商品が販売されているECサイトが表示される。家電量販店の調理家電売り場に置いたサイネージ画面で、材料の食材を販売するといったシナリオを提案している。
 
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目には見えないURLなどの情報を動画に埋め込むことで、店頭の画面をECサイトへの誘導口にできる

 また、昨年参考出展した店舗向けロボット「MATEY(メイティ)」の新バージョンを展示。店舗内を自律的に走行しながら陳列棚を撮影し、品切れや価格の誤り、キャンペーン期間の過ぎたPOPの検知などを自動的に行う。
 
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売り場を巡回し品切れの検知や陳列の最適化を行う「MATEY」

 すでにドラッグストア等で実証実験を行っており、富士通では今年中に商用サービスとして提供することを目標としている。(BCN・日高 彰)