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「格安スマホ」のプラスワン・マーケティング、民事再生へ

 プラスワン・マーケティングは12月4日、資金繰り破綻を回避するため、東京地方裁判所に再生手続開始の申し立てを行ったと発表した。これまで提供していた一部のサービスの受け付けは停止するが、スポンサー候補としてMAYA SYSTEMとの間で基本合意を結び、同社の支援・協力のもと、事業再生に向けた協議を進め、正式決定次第、改めて報告するとしている。


一時はMVNO事業と端末事業の両方を展開し、リアル店舗も展開していた

 利用受け付けを停止するサービスは、下取りに出すことで6か月ごとに新機種に変更できるプラン「とりかえ~る」「特別買取サービス」「PREMIUM端末補償」「FREETEL Coin」の4つ。他のサービスに関してはスポンサー候補をはじめとする関係各社との協議のうえ、決定する。

 2012年にベンチャーとして、当初4名のスタッフで会社を立ち上げたプラスワン・マーケティング。事業規模を拡大し、17年10月までは「FREETEL」ブランドのモバイル端末事業とMVNO事業を手がけていたが、11月1日付で会社分割を行い、MVNO事業は楽天が承継し、既存顧客は「楽天モバイル」が引き継いだ。

 家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」によると、「FREETEL」は、「格安スマホ」としてSIMフリースマホの黎明期に注目を集め、15年12月には1位と僅差の2位に浮上するなど、大きく躍進。海外メーカーのASUS、ファーウェイとともに、3強の一角をなしていたが、16年夏頃からシェアを下げ、上位2社との差が広がっていた。以前は2割以上を占めていたシェアも16年秋以降は10%にすら届かない月が増え、「格安スマホ」といっても、それなりの機能やデザイン性を重視する、消費者のニーズの変化をキャッチアップできなくなっていた。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。