小売りと行政が連携、日進市とセブングループ3社が協定

経営戦略

2017/11/29 13:13

 愛知県日進市とイトーヨーカ堂、セブン&アイ・クリエイトリンク、セブン−イレブン・ジャパンは11月22日、緊密な相互連携と協働を推進して地域の活性化や市民サービスの向上を図る取り組み「地域活性化包括連携協定」を結んだ。市内にオープンしたショッピングモール「プライムツリー赤池」で、具体的な連携を実施していく。


日進市とセブングループ3社の「地域活性化包括連携協定」の様子

 「プライムツリー赤池」で実施が決定しているのは、市政情報などを伝える「日進市情報スペース」の開設や、認可保育園の開園、従業員への認知症サポーター養成講座の実施、災害時における物資の優先供給と被災者に対する支援協力、ジェンダーフリーを含む「みんなのトイレ」の設置などを含む計8項目。さらに今後、高齢者見守りネットワーク協力機関への参加、市のイベントなどの協力や連携、市内農産物を活用した商品販売などの8項目について検討していく。

 同日、愛知県日進市で開催された式典で、日進市の萩野幸三市長は「プライムツリー赤池がもたらす地域活性化効果は計り知れない。日進市では毎年1000人近い赤ちゃんが生まれており、待機児童の問題が浮かび上がっていた。認可保育園の開園は、解消につながるはず。そして、災害時には相互に助け合う仕組みを協定に含んでいる。赤池はさらに発展していくだろう」とコメントした。
 

日進市の萩野幸三市長

 また、「プライムツリー赤池」にはテナントとしてイトーヨーカドーが入居する。イトーヨーカ堂の三枝富博代表取締役社長は「愛知県では5店舗目。地域のお客様が安心して暮らせるように尽力したい。全従業員への認知症サポーター養成講習の実施をはじめとした、日進市との連携を進め、愛される店づくりを推進する。チェーン店ではあるが、地域に根ざした施策を打っていく」と話した。
 

イトーヨーカ堂の三枝富博代表取締役社長
 

セブン&アイ・クリエイトリンクの近藤悦啓代表取締役社長

 さまざまな試みが実施される「プライムツリー赤池」には、市の情報掲示板だけでなく、保育園や図書館と連携して本が返却できるレストスペースを設置するなど、小売店としての機能に加えて地域に欠かせない施設の機能まで備える地域密着型の商業施設。セブン&アイ・クリエイトリンクの近藤悦啓代表取締役社長は「赤池は、愛知で最も住みやすい街と呼ばれるほど注目されている。競合もあるが、オンリーワンをめざし、地域の方々の信頼を得ていきたい」と意気込みを語った。