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CCCの武井家電企画事業部部長「リアル店舗の共喰いをECのせいにするな」

 独自に商品を調達することが、顧客に 「どこにもない商品が蔦屋家電に行けばある」と思わせる。わざわざ購入しにリアル店舗の「蔦屋家電」に足を運ぶための仕掛けになっている。CCCの武井総司家電企画事業部部長は、問題はインターネット通販などのECではなく、リアル店舗にあると指摘する。

取材/日高 彰、文/細田 立圭志、写真/瀬之口 寿一


CCCの武井総司家電企画事業部部長

<売上高の半分は独自調達>から読む

テクノロジーがライフスタイルを変える

―― 国内の家電メーカーは、昔と比べて元気がなくなっているといわれます。

武井 われわれが国内のどこにも売っていない海外の家電を販売することで、日本のメーカーも刺激を受けるでしょう。デザインをマネしてみたり、もっと先の商品を開発するようになれば、元気になると思います。私は、テクノロジーからライフスタイルが変わり、ライフスタイルが変わると、テクノロジーもまた進歩すると考えています。20年前はこのサイクルが高速に回転していたから日本は大きく成長できたのです。

 しかし、このサイクルがいつの間にかゆっくりになってしまったので、お客様も何が新しく変わったのか、世界がどう変わっているのかが分からなくなってしまったのではないでしょうか。CCCが企画することで、このサイクルを加速させて、世の中に情報を発信していきたいですね。その結果、日本の人たちの暮らしが豊かになり、ライフスタイルが変わるきっかけになるのではないかと。

―― リアル店舗の話になると、インターネット通販などのECが対抗軸として挙げられますが。

武井 戦後の間もないころはモノそのものが価値で、モノさえあればなんでもいいという時代がありました。1980年代からモノを選べる場としてのプラットフォームが必要となり、デパートや家電量販店が台頭してきました。今は、商品の選択肢がありすぎて、選ぶ場も飽和状態になっているのだと思います。そこで、次のステップが、お客様のライフスタイルにあった商品をきちんと提案することだと考えています。
 

「リアル店舗同士の共喰いがはじまっている」

 インターネット販売でも、商品は検索できますが、そもそも目的がないと検索できないじゃないですか。「これが欲しい」「これが知りたい」という動機がなければ検索できません。つまり、重要なことは、「これが欲しい」と思うまでをどのように導いてあげるかです。そのヒントは本や雑誌のなかにあるのです。

日本人は本や雑誌を読む

―― 蔦屋家電で滞在している時間が、まさにライフスタイルを探している時間ということですね。

武井 日本人は意外と本屋や雑誌を読む率が高いのです。これだけPCやスマホが普及しているにもかかわらず、コンビニで立ち読みするし、気に入った雑誌や本があれば購入する傾向が顕著です。国民一人当たりの本の消費額は年間9000円といわれています。単価が500円~700円とすれば毎月1冊は本を買っている計算です。
 本や雑誌には趣味や嗜好が表れやすく、海外の生活風景を見ながら「こんな家電があればいいな」などの情報を得ています。日本にないと思ったときに、蔦屋家電に行けばあるのです。

 私は、むしろ今はリアル店舗同士の共喰いが起きていると考えています。これだけプラットフォームがたくさんあって、お互いに潰しあっている感じです。そこにECが参入してきたから、ECのせいにしているようにも映ります。

 わざわざその店に行く価値があれば、お客様に来ていただけます。来店の目的を示すことがリアル店舗でとても大切なことで、蔦屋家電ではそれは価格ではないと考えています。そこにしかない価値を各々の店舗がしっかりと持っていれば、インターネット通販は意識しなくもいいのです。

<毎日2万人が来る「蔦屋家電」の秘密とは>から読む

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