IoT家電の先駆けとして、2013年9月に日本に上陸したフィリップスのスマートLED照明「Philips Hue」。以来、約3年半の間に、機能や使用シーンでセグメントしたさまざまなモデルをリリース。当初は、家電業界関係者やガジェット好きにしか知られていなかったが、16年末の新モデルの発売をきっかけに、販売が急速に上向き始めている。


ビックカメラ有楽町店の「Philips Hue」コーナー

 「これまではデジタルに感度が高い男性のお客様がメインだったが、徐々にファミリー層にも手に取ってもらう機会が増えている」。フィリップス ライティング ジャパン マーケティング部チャネルマーケティングの追越隆則マネージャーは、ユーザーの広がりを実感しているという。
 

マーケティング部チャネルマーケティングの追越隆則マネージャー

 トリガーになったのは、16年12月に発売した「Philips Hue ホワイトグラデーション」。「Hue」の魅力の一つである“自由な色調表現”をカットし、白色のみで調色・調光が可能なLED電球だ。フィリップスの調べによると、16年12月の「Hue」シリーズの販売台数は、前年同月の約2倍に伸長。なかでも、ホワイトグラデーションは、従来のカラーモデルの約2倍の売れ行きを記録した。
 

販売好調をけん引する「Philips Hue ホワイトグラデーション」
(右から、スターターセット、シングルランプ、Dimmerスイッチ」)

 ホワイトグラデーションモデルが売れている理由の一つは、カラーモデルのシングルランプが7400円前後なのに対し、ホワイトグラデーションのシングルランプは、通常のLED電球と同程度の3400円前後という手頃な価格設定にある。

 もう一つは、セッティングが従来より楽になったことだ。これまではランプとスマートフォンを接続するためのブリッジなしではどの機能も利用することができなかったが、ホワイトグラデーションモデルなら「Dimmerスイッチ」という専用のリモコンがあれば、ランプのオン/オフの切替えが可能。もちろん、スマホ連携機能もブリッジを追加することで使用できる。
 

「Dimmerスイッチ」があれば、調色・調光が可能

 追越マネージャーは「IoTはまだまだハードルが高い。まずはわかりやすい機能に魅力を感じていただき、購入してもらう。そして、使っていくなかでスマホ連携などのより高度な機能を試していただきたい」と、ランプ2個、Dimmerスイッチ、ブリッジをセットにした「スターターセット」に加え、ブリッジが付属しない、ランプ単体モデルを用意した理由を説明する。

 現在はAppleのオンラインストアやAmazonなどオンラインでの販売が中心だが、リアル店舗での展開もじわじわと拡大。IoTを軸に他ジャンルの製品と並ぶ機会も増えているという。

 

IoT関連製品を揃えたコーナーもさまざまな店舗で展開している

 照明器具メーカーとコラボレーションする動きも始まっている。IoTが身近になり、他のIoTデバイスとともに、露出の機会はますます増えていくだろう。ラインアップや販路に一日の長がある「Hue」にとって、17年は飛躍の年になりそうだ。(BCN・大蔵 大輔)