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<Special Report>ドローンを使った宅配サービスで「空の産業革命」、実現なるか

オピニオン

2016/07/22 18:00

 小型無人機ドローンを使った宅配サービスについて、国も対応に本腰を入れ始めた。目標は2020年度までの実用化で、国家戦略特区の千葉市では官民による実験が進む。流通の仕組みが大きく変わることが期待されるドローン宅配は、「空の産業革命」として注目されている。

 千葉市西部に位置し、東京湾に面する幕張新都心。東京のベッドタウンとして現在は約2万5000人以上が住み、今後は超高層マンションの整備でさらに1万人規模の居住が予想されている地域だ。

 国は2016年1月、幕張新都心を含む千葉市を国家戦略特区に指定。その後は千葉市や民間業者などと「千葉市ドローン宅配等分科会」を設立し、2016年4月にドローン宅配に関する実験を開始した。

 実験では、幕張新都心にあるイオンモールの屋上からワインを運んだり、地上からマンションの屋上に医薬品を運んだりした。将来的に、約10km離れた東京湾周辺の物流倉庫から幕張新都心の集積所に荷物を集め、幕張新都心の超高層マンションなどに運ぶ計画だ。
 

ドローン宅配の実用化で「物流は大きな進歩を遂げる」と期待する内閣府地方創生推進事務局の藤原豊審議官(国家戦略特区担当)?

 内閣府地方創生推進事務局の藤原豊審議官(国家戦略特区担当)は「ドローンが飛ぶのは、飛行機やヘリコプターより低く、人が行動する地上より高い遊休資産のスペース。ここが活用できれば、物流は大きな進歩を遂げる」と話す。
 

楽天が配送サービス「そら楽」で使うドローン機体のCGイメージ

 ドローン宅配をめぐっては、民間業者の競争も始まっている。分科会のメンバーに入る楽天は16年5月、ドローンを活用した配送サービス「そら楽」を千葉県御宿町のゴルフ場で開始した。米アマゾンも、30分以内に荷物を届ける「Prime Air」の実現を目指している。
 

「安心感とともにテクノロジーを広げていきたい」と意気込む「MIKAWAYA21」の青木慶哉取締役
 

「MIKAWAYA21」の実験中にドローンから撮影された空中写真

 一方、東京・港区のベンチャー企業「MIKAWAYA21」は、地方の高齢者にターゲットを絞って実験を実施中。全国の新聞販売店と協力して展開する有料高齢者向けサービス「まごころサポート」の延長にドローン宅配を位置付けており、青木慶哉取締役は「高齢者との信頼関係を大切にして、安心感とともにテクノロジーを広げていきたい」と意気込む。
 

飛行の規制イメージ(国土交通省ウェブサイトより)

 ただ、実用化するためには、超えなければならない課題も多い。特に悪天候や電波の途絶などによる落下は最大の懸念材料で、安全性をいかに確保するかが大切だ。さらに、人口集中地の上空や地上から150m以上の空域での飛行を原則禁止した航空法など、関係法令による規制緩和も必要となる。(BCN・廣瀬秀平)

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