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性能怪獣、発売後9日間の速報値で1位・2位を独占、ZenFone 2の初速は絶好調

特集

2015/05/29 16:37

 ASUSが5月16日に発売したSIMフリーのスマートフォン(スマホ)ZenFone 2の初速が絶好調だ。5月16日から24日までの9日間の実売データを見ると、1位と2位がZenFone 2、3位が前モデルのZnFone 5と1、2、3位をASUSのスマホが独占。4位はLGのNexus 5(32GB)、5位がコヴィアのFLEAZ F4s+(8GB)だった。


 ASUS自身が「性能怪獣」と表現するハイスペックモデルZenFone 2。少なくとも発売時点での注目度は極めて高い。「BCNランキング」のASUSの販売台数シェアも9日間では55.0%と過半数を占めており、4月の月間シェア23.6%から大幅にジャンプアップしている。さらに、SIMロックモデルも含めたスマホ全体のシェアでもASUSはアップル(42.8%)、ソニー(17.7%)に次いで3位の10.2%と2桁シェアまで上昇した。このASUSの勢いが続くようであれば、SIMフリースマホにもハイスペック化の波が押し寄せている、ということができそうだ。

 本格的に日本のSIMフリースマホ市場にASUSが参入して投入したZenFone 5の後継モデルがZenFone 2。最上位モデルには世界初の4GB大容量RAMを搭載し、CPUにもインテルのAtom クアッドコア Z3580 (2.3GHz)を採用。画面は今主流になりつつある5.5インチのフルHDディスプレイで、まさにちょっとしたパソコン以上の力がある「モンスターマシン」だ。

右が新しいZenFone 2、左が前作ZenFone 5。
筐体が一回り大きくなって、画面も明るくなった

 実際に触ってみると、その動きの滑らかさに驚く。各操作は自然でもたつくところは見当たらない。例えば、Androidのベンチマークソフト、AnTuTuを走らせてみたところ、総合スコアは4万7267でトップクラス。ちなみに前作ZenFone 5は1万8863で、軽く2倍を超えるパフォーマンスをたたき出すマシンに進化したことになる。一番わかりやすいパワーの差はAnTuTuの3Dグラフィックス描画のシーン。ZenFone 5では画面はカクカクしながら動いていくため、パワー不足は否めなかった。ZenFone 2では全くカクカクせずスムースに描画が進み、歴然とした処理速度の差が確認できる。

 大画面化しハイスペックになった影響で、ZenFone 2は前作に比べ一回り大きくなり重量も170gと25g重くなった。ハイパワーで動作する際には筐体がほんのりと暖かくなり、テザリング時、カバンに入れている際にもわずかに暖かさを感じる程度の熱を持つ。しかしバッテリー容量は3000mAhと890mAh分大容量化。ハイスペックを支える足回りは強固になり、通常の使い方であれば丸1日の利用に十分耐える。さらに「超省電力モード」も備え、バッテリー寿命を延ばして利用することもできる。

右が新しいZenFone 2、左が前作ZenFone 5。
ボリュームボタンが背面に配置された

 ZenFone 2の魅力はハイスペックでありながらデザインにスリムなエッジを採用し、丸みを帯びて握りやすい筐体の形にもある。エッジをスリムにすることにこだわった結果、ボタン類を左右の側面から排除。電源ボタンは本体上部に、ボリュームコントロールは背面のカメラ下に配置するという大胆な変更を施した。電源ボタンが側面にあるスマホが多いため、当初は若干戸惑うが「タッチジェスチャー」機能で、画面をダブルタップすることでON・OFFができるので、実際にはほとんどスイッチに触る必要もない。

右が新しいZenFone 2、左が前作ZenFone 5。
エッジがスリムで持ちやすく、軽快なイメージがある

 カメラ機能も大幅にスペックアップした。自撮りに使う前面カメラは200万画素から500万画素に、また、メインで使う背面カメラは800万画素から一気に1300万画素になり、解像度が大幅に高まった。通常の撮影でもカメラ専用機と同等の画質を得ることができるが、特筆すべきはフクロウマークのローライトモードだ。薄暗い街角をとってもまるで煌々と照明を焚いているように明るく写る。その分ノイズは多くなるが、普段使いには十分すぎる画質が得られる。

ZenFone2で撮影したマルタの首都バレッタ

 さらにZenFoneシリーズを使っていて驚くのは、その強力なテザリング機能だ。例えば、Bluetoothでテザリングして他のタブレットをZenFone 2経由でインターネット接続しているのと「同時」に、Wi-Fiテザリングで他のPCをインターネットに接続することもできる。もちろんSIMフリーであるため、国内では格安SIMで運用しつつ、海外では各国のSIMに入れ替えて使うことができる。実際にマルタと上海で、それぞれ現地のSIMで使ってみたが、ほとんど何の操作もせず、使い始めることができた。

ローライトモードで撮影したマルタ・バレッタの夜。実際はもっと薄暗い

 SIMフリースマホの販売台数構成比は、すでにスマホの1割を超え、一つの市場が出来上がった。日本ではアップルの独壇場だったスマホ市場だが、SIMフリーモデルとなると様相は一変する。ASUSはそんな新しい市場を足掛かりにスマホ市場をさらに大きく進化させる力をもったメーカーだ。彼らの次の一手にも大いに期待したい。(道越一郎)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。