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格安SIMカード比較 月額1000円以下のLTE対応プランがアツイ!

特集

2013/07/17 11:29

 スマートフォンタブレットに差し込み、低価格の月額料金で通信環境が得られるMVNO事業者によるSIMカードが注目を集めている。ドコモやauソフトバンクモバイルが提供する通信プランと何が違うのか、おすすめのプランはどれか。いま注目のSIMカードについて解説する。

SIMロックフリーの端末に差し込んで使う

SIMロックフリーの端末に差し込んで使う

2台目のスマートフォンの月額料金を抑えたいならSIMカード



 ドコモや海外デルなどSIMロックフリーのスマートフォンを持っている、出張などで短期間だけスマートフォンを使いたい、安い2台目のスマートフォンを検討している、あまり使わないので、毎月の通信費を安く抑えたい……。そんな人にはMVNOが提供するSIMカードサービスを検討してはいかがだろうか。

 MVNOとは「Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)」の略で、自社で回線網をもたず、通信キャリアから借りてサービスを提供する事業者のことだ。通信キャリアに比べて豊富なプランを用意している。

 ドコモやauソフトバンクモバイルなどの通信キャリアは、毎月使い続けるタイプのプランしかない。例えば、ふだんはあまりスマートフォンを使わないけれど、旅行のときだけ使いたい、というときは難しい。しかしMVNOなら、1か月や6か月などの期間を絞って利用できるプリペイドタイプのSIMカードがある。

 また、データ通信量に上限を設けることで月額料金を抑えたプランもある。例えば月のデータ容量が3GBに制限されているドコモのライト向けプラン「Xiパケ・ホーダイ ライト」の月額料金は4935円。メール中心でたまに検索するだけといった使い方なのに、毎月何千円も払うのはもったいないと思っているなら、MVNOの低価格プランを利用すればリーズナブルに利用できる。

 MVNO事業者といえば、身近なところでは、ソフトバンクモバイルの回線を利用してオリジナルのスマートフォンなどを販売している「Disney Mobile on SoftBank」や、ドコモの回線を利用している日本通信の「b-mobile」、NTTコミュニケーションズが提供する「OCN」などがある。このほか、イオンの「イオンSIM」やビックカメラの「BIC LTE SERVICE」などもMVNOサービスだ。

 ここでは、初めてSIMカードを導入する人向けに、月額1000円以下で高速通信のLTEが利用できるプランを紹介する。

料金は980円で横並び 通信容量の制限とうまくつきあう



 LTEの高速通信を利用でき、なおかつ月額1000円以下のプランとして、ここでは日本通信の「b-mobile スマートSIM 月額定額980」、OCNの「モバイルエントリー d LTE980」、楽天の「ブロードバンドLTE」の三つをピックアップした。

月額1000円以下のSIMプラン比較
  日本通信
b-mobile スマートSIM
月額定額980
OCN
モバイルエントリー d LTE980
楽天
ブロードバンドLTE
通信規格 LTE(Xi)/3G(FOMA LTE(Xi)/3G(FOMA) LTE(Xi)/3G(FOMA)
最大
通信速度
下り 150kbps 112.5Mbps 75Mbps
上り 150kbps 37.5Mbps 25Mbps
月額基本料(税込) 980円 980円 980円
初期費用(税込) 3150円 3150円 4200円
SIMカードサイズ 標準/micro 標準/micro/nano 標準/micro
総量規制 日次 366MB/3日 30MB/日 -
月次 1.2GB/月  - 200MB/月
総量規制時の速度 非公表 200Kbps 100kbps
2013年7月9日時点

 3サービスともドコモの通信回線を利用し、ドコモのLTE(Xi)エリアに加えて、3GのFOMAネットワークを利用できるので、LTEがつながらないエリアでも3Gで通信ができる。また、月額料金も980円で同じだ。

 通信規格は同じだが、サービス内容をよく比べると、通信速度に差がある。最大手の日本通信の「b-mobile スマートSIM 月額定額980」は、下り最大150kbps。テキストメールやSNSのやり取りなら問題ないが、画像などをやり取りするとなると厳しそうだ。楽天の「ブロードバンドLTE」は下り最大75Mbps、OCNの「モバイルエントリー d LTE980」は下り最大112.5Mbpsだ。

 MVNOのSIMカードは、一定のデータ通信容量を超えた場合、通信速度が遅くなる制限がかかるプランが一般的。上手に活用するには、この制限とうまくつきあっていくことが重要だ。制限がかかる容量と、速度が戻るタイミングをチェックしよう。

 日本通信の「b-mobile スマートSIM 月額定額980」は、3日間の通信量の合計が366MBを超えると速度制限がかかる。日が変わり、3日間の通信量の合計が366MBを切れば速度は元に戻る。下り最大150kbpsと遅いので、一日で366MB以上使うことはないと思うが、もし使ってしまった場合は、翌日と翌々日は通信速度が遅いままということになる。

 これに対してOCNの「モバイルエントリー d LTE 980」は、一日30MBまでの制限をかけている。通信容量をオーバーすると速度は下り最大200kbpsに制限されるが、翌日には再び高速通信が利用できる。さらに、容量制限時でも200kbpsと他のサービスと比べて速いのが魅力だ。

使い方に合ったSIMプランを選ぶ 「毎日使う派」か「一点集中派」か



 では、どのプランがいいのだろうか。日本通信の「b-mobile スマートSIM 月額定額980」は、前述の通り、下り最大150kbpsと、OCNの「モバイル エントリー d LTE 980」の制限時よりも速度が遅い。となると、OCNの「モバイル エントリー d LTE 980」か楽天の「ブロードバンドLTE」のどちらかが最有力となる。

 次に通信容量の制限をチェックしよう。日本通信の「b-mobile スマートSIM 月額定額980」は3日間、OCNの「モバイル エントリー d LTE 980」は1日の通信容量によって制限するが、楽天の「ブロードバンドLTE」は月200MB以上使用すると制限がかかる。楽天の「ブロードバンドLTE」は、ふだんはほとんど使わないが、出張などの数日間だけ集中して使いたい、という人には使いやすいだろう。毎日、一定時間インターネットを使うならOCNの「モバイル エントリー d LTE 980」が使いやすそうだ。

 また、OCNの「モバイル エントリー d LTE 980」は容量制限時でも下り最大200kbpsと高速で、メールやウェブ閲覧はもとより無料通話アプリ「LINE」も快適に使うことができる。

 最後に、選択できるSIMカードのサイズを確認しよう。日本通信の「b-mobile スマートSIM 月額定額980」と楽天の「ブロードバンドLTE」は、通常サイズとmicroSIMの2タイプがある。OCNの「モバイル エントリー d LTE 980」は、この2タイプに加え、iPhone 5や第4世代のiPad Wi-Fi + Cellularモデル、iPad mini Wi-Fi + Cellularに対応するnanoSIMを用意しており、使用できる端末の選択肢が広がる。SIMロックフリーの海外版iPhone 5、iPad Wi-Fi + Cellularモデルを使う場合は、OCNが適している。

 さまざまなMVNO事業者が提供している格安SIMプラン。使用頻度や通信速度に合わせて最適なプランを選ぼう。(デジタル&家電ライター・コヤマタカヒロ)