iPhoneとして、初めて高速通信規格「LTE」に対応したアップルのスマートフォン「iPhone 5」。前機種「iPhone 4S」に引き続き、国内ではソフトバンクモバイルとKDDI(au)の2社が販売する。今回は、発売と同時にスタートしたキャンペーンの内容を反映し、どちらのほうが安いのか、購入から2年間、継続利用した場合のトータル費用で比較した。

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端末代金の支払い方法は一括/分割、好みのほうを



 スマートフォンを購入するときは、端末代を全額支払う「一括払い」と、毎月の通信料に24回など指定の回数に分割した端末代を上乗せして支払う「分割払い」の2パターンから選べる。量販店の店員によると、最近は「分割払い」を選ぶ人が多いという。指定の条件を満たす場合、24か月間、機種ごとに一定金額を割り引くサービス(ソフトバンクモバイルは「月月割」、auは「毎月割」)を適用すると、割引き金額の合計と端末代が同じ金額になって端末代が実質無料(0円)になるよう設計している割引制度もあり、最新機種の「iPhone 5」も、16GBモデルなら実質無料で、月々の通信料だけで利用できる。

iPhone 5

9月21日発売の「iPhone 5」(ブラック&スレート)

 筆者は、端末代(一時的な出費)と通信料(固定費)を分けて管理したいので、「一括払い」派だ。分割払いに比べ、毎月支払う金額が安く済むというメリットもある。そこで今回は、一括払いで「iPhone 5」を購入すると仮定し、ソフトバンクモバイル版(SB版)とau版、どちらが安いのか、新規契約・MNP・機種変更のパターン別に比較した。なお、「テザリング」をはじめとする各種オプションは契約せず、ウェブサイトやチラシで紹介しているオススメ料金プラン(モデル例)で試算した。

端末価格はソフトバンクモバイル版のほうが1万320円安い



 高速通信規格の「LTE」に対応する「iPhone 5」の発売と同時に、ソフトバンクモバイルは「SoftBank 4G LTE」、auは「4G LTE」の名称で、それぞれLTEサービスを開始した。LTEサービスは、すでにNTTドコモ、イー・モバイルが展開しており、これで国内4社すべてが出揃った。

 「iPhone 5」の端末価格(一括支払時の販売価格/分割支払い時の総支払い金額)は、SB版とau版で異なる。SB版の価格は、16GBモデルが5万1360円、32GBモデルが6万1680円、64GBモデルが7万2000円。対してau版は、16GBモデルが6万1680円、32GBモデルが7万2000円、64GBモデルが8万2320円で、同じ容量同士では、いずれもソフトバンクモバイルのほうが1万320円安い。

横並びの料金体系、基本使用料は月額980円、パケット定額料は月額5460円



 続いて通信料金を比較しよう。データ通信が使い放題の「iPhone 5」向けのおススメプランの場合、月々の料金は、ソフトバンクモバイルが6755円、auが7280円。ただしauの場合、12月31日まで実施する「LTEフラットキャンペーン(i)」適用時、フラット型パケット定額サービス「LTEフラット」の月額料金が最大24か月間、通常より525円安い月額5460円になるので、月々の料金はソフトバンクモバイルとまったく同額の6755円となる。

「iPhone 5」向けオススメ料金プランの月額料金
項目 ソフトバンクモバイル au
基本使用料 ホワイトプラン(i):980円 LTEプラン:980円
インターネット接続サービス料 S!ベーシックパック:315円 LTE NET:315円
パケット定額サービス パケット定額 for 4G LTE:5460円 LTEフラット:5985円
※キャンペーン適用で最大2年間5460円
合計 6755円 7280円
※キャンペーン適用で最大2年間6755円

<新規契約・MNP>11月30日までのキャンペーン実施中はまったく同じ



 実質負担額は、新規契約の場合、どちらも16GBモデルなら無料、32GBモデルは毎月430円、64GBモデルは毎月860円。キャリアによる差はない。端末価格が高いぶん、ソフトバンクモバイルの「月月割」よりauの「毎月割」のほうが割引き額が大きいので、実質負担額は同額になる。

 MNP利用時の実質負担額も、キャリアによる差はない。「iPhone 5」の購入にあわせ、他のキャリアからMNPを利用してソフトバンクモバイルに乗り換えると、11月30日まで実施する「【新】iPhone かえトクキャンペーン」と「のりかえ割」の併用で、月額980円の基本使用料が最大2年間無料になり、そのぶんだけ、月額費用が下がる。「のりかえ割」は、基本使用料無料の代わりに「お父さんグッズ」などの別の特典を選ぶこともできる。

 同様にMNPを利用してauに乗り換えると、11月30日まで実施するMNP基本料割引キャンペーン「女子割・男子割」によって、最大24か月間、毎月980円、利用料金から値引きされる。両キャリアとも、新規よりMNPのほうが値引き額が大きく、2年間継続利用した場合のトータル費用の差は2万3520円と、かなり大きな金額になる。

<機種変更>「iPhone かいかえ割」のあるソフトバンクのほうが安い!



 新規・MNPの場合、ソフトバンクモバイルとau、どちらを選んでも、月々の料金は変わらない。しかし、同一キャリア間で機種変更するパターンでは、「月月割」に加え、月額980円の基本使用料が1年間半額になる「iPhone かいかえ割」を実施するソフトバンクモバイルのほうが安くなる。

 さらにソフトバンクモバイルは、LTE対応の「iPhone 5」に機種変更した後、それまで使っていた3G対応のiPhoneを家族に譲渡すると、パケット定額サービス料が最大2年間、月額1980円になる「4G/LTE スマホ家族キャンペーン」、不要になったiPhone 4S/4などの対象機種を下取り、毎月の利用料金から1000円ずつ割り引く「スマホ下取りプログラム」を11月30日まで実施する。これらを組み合わせれば、トータル費用はぐっと安くなる。

 auは、「iPhone 5」で、新規・MNPと機種変更で「毎月割」の設定金額を変えており、機種変更だと新規に比べて月あたり390円高くなる。このため端末代と通信料金を合算した2年間のトータル費用は、キャリアと契約形態を組み合わせた6パターンのうち、「au携帯電話からauのiPhone 5への機種変更」が最も高い。

「安さ」にこだわるなら端末価格を含めた2年間の総額で比較を



 料金面では、新規・MNPでは優劣はなく、機種変更はソフトバンクモバイルのほうが割安だ。対象の固定通信サービスとセットで利用料金を割り引くサービスの割引き額も横並びで、それを適用しても新規・MNPの場合は差がない。

「iPhone 5」16GBモデルを購入した場合の2年間のトータル費用
キャリア ソフトバンクモバイル au
契約方式 新規契約 MNP 機種変更 新規契約 MNP 機種変更
端末代 5万1360円<実質0円> 6万1680円<実質0円>
月額費用 6755円 6755円 
※キャンペーン適用時(最大2年間)
割引き(月額) 月月割/毎月割 2140円(2年間、合計割引額5万1360円) 2570円(2年間) 2180円(2年間)
MNP・機種変更向けキャンペーン - 980円(2年間) 490円(1年間) - 980円(2年間) -
2年間のトータル費用(端末代+月額費用-割引き額) 16万2120円 13万8600円 15万6240円 16万2120円 13万8600円 17万1480円
備考 新規・機種変更の場合、「スマホ下取りプログラム」利用で割引き(総額2000円~2万円)、
 「4G/LTE スマホBB割」利用で毎月1480円割引き(2年間の合計割引額3万5520円)
「auスマートバリュー」利用で毎月1480円割引き(2年間の合計割引額3万5520円)
※別途、通話料(0円~)、ユニバーサルサービス料、契約事務手数料(新規・MNPの場合)、3GからLTEへの変更手数料、オプション料金(申込時)などがかかります

 ソフトバンクモバイルは、「iPhone 5」発売直前の9月19日、auに対抗するように「テザリングオプション」「24時間通話定額オプション」を発表し、それぞれ2013年1月15日から提供すると発表した。両キャリアとも、ユーザーの反応や売れ行きをみながら、これから先、料金設定の見直しやキャンペーン内容の拡充を図ると思われる。

 わかりやすい「実質負担額」に目が行きがちだが、スマートフォンにかかる費用が気になるときは、端末代と通信料を合算した2年間の総支払い額で比較するようにしよう。また、固定通信サービスとのセット割引きを利用するつもりなら、モバイル(携帯電話)と固定通信(インターネット・電話)の月額費用を合算したうえで比較しよう。たとえスマートフォンの利用料金が下がっても、それ以上に固定通信の料金が増えてしまっては、通信費の削減にならない。各種キャンペーン・割引きをフルに活用し、通常より浮いたお金でアプリやアクセサリなどを購入して、最新のiPhoneをより楽しく使いたいものだ。(BCN・嵯峨野 芙美)


【2012年9月28日追記】
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・「iPhone 5」キャリア対決、発売1週目はシェア63.2%でソフトバンクが制する
【2012年10月1日追記】
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