<炊飯器メーカー・鼎談2016秋>市場の活性化に必要なこと

特集

2016/10/28 10:00

 BCNは、高級モデルをリードする炊飯器メーカー3社による鼎談を開催。「炊飯器市場の活性化に必要なこと」をテーマに議論した。

市場の活性化に必要なこと
トークに使いたい「洗米のポイント」も


 買い替えサイクルが7年~8年といわれるIHジャー炊飯器。高級タイプは「おいしいごはん」のこだわり層が購入するため、サイクルは短めになるという。買い替えのキーワード、消費者へのアピールポイント、販促支援のキーワードの3つについて語った。洗米のポイントも販売トークの参考にしたい。
 

左から、象印マホービンの後藤氏、タイガー魔法瓶の金丸氏、三菱電機の松村氏

<買い替えのキーワード>
単価が下がりにくい炊飯器の秘密

 今見ているテレビよりも小さいテレビを購入する顧客が少ないように、使っている炊飯器よりも下位モデルに買い替えるケースは少ない。つまり、実売7万円モデルのおいしさを体験した顧客が、2万円モデルへ買い替えてよしとするケースは少ない。顧客の「おいしいごはん」へのこだわりは、炊飯器と共に進化する。

 また、故障ではなく、おいしさや健康を求めて買い替えるのも炊飯器の特徴といえる。そのため、販売時に少しでも単価をアップすることは、後の買い替え客を育てる意味でも重要になる。

 一方で、現場の声にもあるように、各社のラインアップが多く、1万円の価格差が意味する味の差まで分からないし説明しきれない、という業界共通の課題も上がった。

<顧客へのアピールポイント>
際立った米の粒感

 基本性能である「おいしさ」のこだわりでは、象印は沸騰時に大きな対流を起こすために南部鉄器の内釜底を中央は平面、両脇は斜めにした。中心部までしっかりと対流が起きるようにした。

 タイガーは、土鍋の上部を口絞り構造にして、理想的な熱対流が起きるように改良。蒸らし時に200°以上の「高温蒸らし」工程を加えて、香り高いおこげが楽しめる。

 三菱は、つやのあるごはんの表面を覆っている「保水膜」に注目。粒感と一緒に、水分を含んだみずみずしさを保つため、本炭釜でごはんの「保水膜」を均一にする仕上がりを目指した。

 鼎談最後の「食べ比べ」では、3社の炊飯器ともごはんの一粒一粒に食感があり、こだわりの固さやもちもち感を引き出している。


<販促支援のキーワード>
体験会や米作りに参画

 三菱では購入者にオリジナルブレンド米をプレゼントして三菱と米をイメージさせる取り組みを実施している。実際に、宮城県の契約水田で田植えから収穫までを行い、本炭釜専用にブレンドした米を作っている。

 象印は10月28日から11月6日まで期間限定で東京・表参道に「象印食堂」のアンテナショップをオープン。極め羽釜で炊き上げた新米とオリジナルレシピのおかずをセットにした「極め御膳」を提供して新規客へ体験をうながす。

 タイガーは「日本一おいしいお米を決める大会で17年連続で使われている」をキャッチコピーに、ごはんのおいしさを訴求。今年12月の国際大会から新モデルが採用。農家を元気にする米文化を応援する側面もある。

■3社に聞いた「洗米のポイント」

▽象印マホービン

 米の計量は、カップに米を山盛りしてから棒などですり切り一杯にする。計量カップをトントンと台の上でたたいて米を追加するのは誤り。洗米時のばらつきを抑える「洗米器」も用意。3合の場合、水を切って15回転を2セットしてからすすぐ。4合~7合は3セットをする。
 

▽タイガー魔法瓶

 普段の試食実験では米と水をスケールで正確に測ってから炊飯する。炊飯器に内釜をセットする際は、内釜に付着した水をふき取るのを忘れないように。怠ると、炊飯中の火力にばらつきが生じる。タイガーの計量カップは適量の米が入るように口径が細く、高くなってる。
 

三菱電機

 三菱の「研米ボウル」は凹凸加工がしてあり、洗米時のお米の割れを抑えてすばやく研げる。最初にお米を水道水でさっと流し、ぬかを落としてから研ぐのがコツ。「合ピタカップ」は、ひっくり返すと0.5合の計量もできるアイデア計量カップだ。
 
 
<炊飯器メーカー・鼎談2016秋>
開催日:2016年9月28日
場所:BCN 22世紀アカデミールーム
参加メーカー:象印マホービン、タイガー魔法瓶、三菱電機(50音順)

・高級モデルをリードする炊飯器メーカー鼎談
 
※『BCN RETAIL REVIEW』2016年11月号から転載

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