――冬休み特別企画:借り物レビュー、iRobotの自動掃除機「ルンバ570」<br />
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 今年も残りわずか。年賀状に孤軍奮闘していたら、気付けば大掃除にはまったく手をつけていなかった、と嘆いている方も多いのではないだろうか。そんな時、床掃除のお手伝いをしてくれるのが、米iRobotの自動掃除機「ルンバ」。巷では「お掃除ロボット」として有名だ。果たしてどのくらい役に立つものなのか……実際に使ってその実力を試した。

●近未来をイメージさせる「掃除ロボット」 丸型でキュートなデザイン

 自動掃除機「ルンバ」は、米iRobotが02年に家庭向けロボットとして初めて発売した製品だ。最近では、11月に開催された東京国際映画祭のレッドカーペットを掃除したことで記憶している方も多いだろう。通常の掃除機と異なり、人の手を必要とせず、ほおっておけば自動で掃除してくれる便利でおりこうなロボットだ。

 今年10月にデザインを一新した新製品「500シリーズ」は、カラーがホワイトのスタンダードモデル「ルンバ530」と、ブラックとシルバーを基調とする上位モデル「ルンバ570」の2種類のラインアップがある。今回は、スケジュール設定機能やリモコンが付属する「ルンバ570」を使った。



 まず、本体の構造を見てみよう。上面には電源ボタン、掃除を始める「CLEAN」ボタン、ホームベースに戻る「DOCK」ボタンなどの操作ボタンが並ぶ。持ち運ぶ時は上面の取っ手を使う。高さが92mmと薄型なので、収納スペースも取らない。部屋に置いておいても違和感が無く、どんなインテリアになじみそうだ。


 円形のデザインは確かにおしゃれだが、部屋の隅まで掃除ができるのか心配になってしまう。しかし、本体から飛び出ている「エッジクリーニングブラシ」が、吸い込み口が届かない角や壁面のゴミをかき出してくれる。また、本体前面に「ソフトタッチバンパー」があり、進行方向に障害物があると速度を落とすセンサーを備える。また、バンパーそのものに当たると即座に方向を変える。

 上位モデルの「ルンバ570」は、円柱型の「お部屋ナビ」という付属品が2つついている。侵入してほしくない場所の手前に置けば「バーチャルウォール(見えない壁)」モード、2つの部屋の境目に設置しておけば、1つ目の部屋の掃除が終わってから次の部屋に移動する「ライトハウス」モードの2つを使用できる。円形のリモコンも付属する。


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●コード類など物をどかしてからスタート! 段差も登ってスイスイ走行

 さて、さっそく床を掃除してみよう。開始前には、まずルンバの走行に邪魔にならないように、何も落ちていない状態に片付けなければならない。普通の掃除機をかける際は、物をどかしながら掃除できる。しかし、ルンバは自動で走行するため、あらかじめ別の場所に物を移動しておく必要がある。「CLEAN」ボタンを押してスタートさせると、オルゴールのような電子音が鳴ってから動き出す。ペットロボットのようで愛着が湧く。

 動きを観察していると、同じ場所を何度も掃除する。iRobotによれば、同じポイントを平均4回走行して、掃除の精度を上げているとのこと。本体の向きを変えた時、自分がため込んだホコリを落としていくこともあるが、同じ場所を通るのでちゃんと吸い込んでくれた。狭い場所に入ってしまっても、試行錯誤しながら自分で出てくるので心配はない。フローリングの上にじゅうたんを敷いていても問題なく走行していた。1.5cmほどの段差なら平気なようで、たくましく登って掃除していく。ただ、掃除中の音はそれなりにするので、テレビを見たり電話をしたりする際には音が気になった。


 部屋の中で注意すべきなのは、PCや電気スタンド、テレビ、レコーダーなどのコード類だ。ブラシや車輪がコードに絡まりそうになると、絡まないように動くとのことだが、やはり引っ張られることはあった。できればコードは収納してから掃除するか、コードのある箇所は「バーチャルウォール」機能で区切っておいた方がいいだろう。

 ソファの下やテーブルの下にも潜って掃除しており、これは普通の掃除機には真似できない便利さ。テーブルの脚などは、「ソフトタッチバンパー」に付属するセンサーが効かない場合もあるらしいが、それほど強くぶつかる印象はなかった。驚いたのは、壁際に家具がでこぼこに並んでいる状態でも、家具に沿って動いていたことだ。本体の外側で回転する「エッジクリーニングセンサー」は右の前方に付いているのだが、家具をうまくよけて、右に右に走行する。かなりカシコイ。掃除が終わったと判断したら、自動でホームベースに戻り充電する。掃除後、床を確認してみると、目視レベルでは十分きれいになった。

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●フローリングは得意、じゅうたんはやや苦手 通常の掃除機との併用がよい

 最後に、ルンバの威力を視覚的に把握するため、床の種類別に、目に見えるゴミを置いて掃除をする実験を行った。フローリングは得意なようで、1回の走行でほとんどのゴミを吸い取れた。じゅうたんは、何度か走行させても取りきりれないゴミがごく少量残っていた。また、走行中は少し障害があるとすぐ方向を変えてしまい、シワがよっている箇所を進めないことがあった。畳は、畳縁の部分に段差があるからかゴミを残すことがあったが、これも何度か走行すればきれいになった。


 ゴミを捨てる際は、後方にあるダスト容器を取り出して行う。通常の掃除機のような紙パックは不要で、そのままゴミ箱に捨てられる。容量はあまり大きくないので、こまめに捨てた方がいい。じゅうたんを掃除した後は、ブラシに毛がからみついてしまうので、こちらも取り除こう。

 なお、ルンバの弱みとして、本体の直径34cm以下の場所には入れないのと、本体よりも幅の狭い階段などは掃除できないので、その場合はどうしても通常の掃除機が必要となる。したがって、いまの掃除機の代わりというよりは、2台目のプラスαの家電と考えたほうが無難だろう。加えて、ホームベースの手前には2mのスペースが必要なので、よく検討してから設置しよう。ルンバが自動で戻らなくてもいいのならそのスペースは必要ないので、手動で止めてホームベースに戻せば大丈夫だ。


 ルンバは通常の掃除機をかける時間が節約できるので、家事などほかのことをしながら動かしておくのがオススメだ。さすがにお掃除で部屋を本格的に片付ける際にはあまり役に立たないが、片付け終わったの仕上げなどは、任せてしまってもよさそう。普段使いでもかわいらしい形状や音声で、掃除もきっと楽しくなるだろう。小・中学生の子どもがいる家庭なら、リモコンを使ってラジコン感覚で動かせるので、子どもが喜んで手伝いをしてくれるかもしれない。掃除ロボットで、近未来を少し味わってみてはいかがだろうか。(アバンギャルド・栃尾江美)

【主な仕様】
自動掃除機「ルンバ570」
稼働時間 最大60分(CLEANモード使用時)
     最大105分(お部屋ナビ2個・ライトハウス機能使用時)
サイズ  直径340×高さ92mm
重さ   約3.7kg
アイロボットストア価格 9万4500円