――借りモノレビュー、ソニーウォークマン「NW-E002」<br />
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 6月、ソニーの新しい携帯オーディオ「ウォークマン Eシリーズ」が発売された。フラッシュメモリタイプの安価なモデルで、スティック形状のクリスタルデザインと、鮮やかな5色のカラーバリエーションが特徴的。新たにAACファイルに対応して「iPod」との共用も意識する。またバージョンアップされたアプリケーションソフト「SonicStage CP」との連動で、使い勝手を向上したという。その512MBモデル「NW-E002」をお

――借りモノレビュー、ソニーウォークマン「NW-E002」

 6月、ソニーの新しい携帯オーディオ「ウォークマン Eシリーズ」が発売された。フラッシュメモリタイプの安価なモデルで、スティック形状のクリスタルデザインと、鮮やかな5色のカラーバリエーションが特徴的。新たにAACファイルに対応して「iPod」との共用も意識する。またバージョンアップされたアプリケーションソフト「SonicStage CP」との連動で、使い勝手を向上したという。その512MBモデル「NW-E002」をお借りして試用し、ソフトも含めた総合的な「使い勝手」を検証してみた。


●USB端子を一体化した軽量スティックタイプ

 新しいEシリーズは、昨年発売されて好評だった既存モデルと同じ、スティックタイプを踏襲している。一番大きな違いは、本体にUSB端子を完全に組み込み、キャップを外せばそのままPCに挿し込める形になっていること。しかも今回は、金属をボディから排除し、すべて樹脂素材で作られているため、本体重量は約25gと軽量だ。携帯したイメージは、大きさといい、重さといい、ちょうど100円ライターをポケットに入れている感覚に近い。質感は少しチープな感じもあるが、色鮮やかなクリスタルデザインはやはり目をひく。


 まずは操作性だが、既存モデルに採用されていたソニーならではの「ジョグシャトル」は姿を消し、オーソドックスなボタンインターフェイスになっている。ボタンは「再生/一時停止」「曲送り/戻し」「HOME」「音量アップ/ダウン」「ホールド」の5種のみ。あえてボタンの数を減らすことで、買ってすぐにでも使える、シンプルな操作性を実現した。

 また、操作性を語る上で、ウォークマンの特色である有機EL液晶の存在は大きい。「HOME」ボタンの長押しで、液晶に設定メニューが表示されるが、ここで再生の仕方や各種モードの選択を目で確認しながら行えるようになっている。「iPod shuffle」には液晶がないので、操作しにくいという声はよく聞く。この点では、Eシリーズのほうに利があるといえるだろう。そして今回は、さらに液晶表示をシンプルなボタン操作と組み合わせることで、使いやすさをさらに追求。携帯プレイヤーのビギナーも、すぐに使いこなせるように工夫されているのは好感が持てる。


●AACファイル再生対応がユーザーの最大の関心事

 本体への充電はUSB端子から行う。ここはソニー自慢の「ハイスピード充電」機能を搭載。PCのUSBポートに挿し込み、3分間充電するだけで約3時間の再生が可能だ。ちなみに、フル充電(約1時間)では28時間の再生ができるという。また、音楽データも高速転送が可能で、実際に操作してみると、アルバム1枚分を約30秒で本体に転送できた。朝など急いでいる時には重宝しそうだ。

 気になる音質については、付属のイヤホンの装着感がいま一つで、少し安っぽい印象を受けるが、意外と歯切れのよいクリアなサウンドを楽しめる。このあたりは既存のウォークマンシリーズと同等のクオリティだ。「HOME」ボタンを長押しして、イコライザ機能を設定したり、楽曲間の音量レベルの違いを補正してくれる「ダイナミックノーマライザ」も内蔵しているので、好みに合わせたサウンドを楽しむことができる。

 そして特筆すべきは、ATRAC/MP3/WMA形式に加え、「iPod」のファイル形式であるAACファイルも再生できるようになったこと。これはつまり、「iPod」からの買い替えや、乗り換えを念頭に置いたものであることはいうまでもない。携帯プレイヤーのユーザーにとって、ここが新・Eシリーズの最大のポイントなのだ。

 ただ、注意しなければいけないのは、WMA形式も含め、著作権保護処理されたAACファイルは再生できないということ。「iTunes Music Store」で購入した楽曲は、「iPod」シリーズ以外のプレイヤーで再生できないので、乗り換えを考えている際には確認しておこう。


●付属の「SonicStage CP」で、曲の取り込みも簡単

 新しいEシリーズのウリの一つに、付属されている「SonicStage CP」がある。これは、昨年発売されたウォークマン「Aシリーズ」で採用された「コネクトプレーヤー」の機能を、「SonicStage」に統合した最新バージョン。操作性の面で不評だった「コネクトプレーヤー」を使いやすく改良し、「アーティストリンク」機能も「SonicStage」から利用できるようになった。ただし、これは既存の「Aシリーズ」ユーザーにとってメリットはあるが、Eシリーズは「アーティストリンク」機能に対応していないため利用できない。


 しかし、ソフト自体はとてもわかりやすいインターフェイスで、音楽CDからの曲の取り込みや、ウォークマン本体への転送も、ボタンやドラッグ&ドロップ操作で簡単に行える。再生履歴から好みの曲を選んでシャッフル再生する「インテリジェントシャッフル再生」機能や、音楽ダウンロードサービス「Mora(モーラ)」へのアクセス機能なども搭載し、楽曲の総合的な管理や再生が手軽にできるようにバージョンアップされている。

 もちろん、AACファイル対応についてもぬかりはない。「iPod」で使っていた音楽管理ソフト「iTunes」のAACファイルは、インポート機能で「SonicStage CP」に移行できる。また、音楽CDからAACファイル形式でデータを取り込む(エンコード)ことも可能だ。

●ソフトとの連携で総合的な使いやすさを追求

 「SonicStage CP」をPCにインストールしておけば、Eシリーズの本体をUSBポートに挿し込むだけで、自動的に「SonicStage CP」が起動する。あとは、本体に転送したい楽曲を選んで、ボタンをクリックするだけだ。ちなみに、Eシリーズのパッケージには詳細なマニュアル冊子は付いていない。「SonicStage CP」をインストールする際に、操作ガイドのPDFファイルを取り込むことができる。本体の「HOME」ボタン(長押し)による各種の設定は、このPDFファイルを読まないとわからない部分もあるが、総じて、新しいEシリーズは、初心者にもやさしい携帯オーディオ機器といえる。

 また、最近のテレビCMで展開しているように、Eシリーズと同社のハードディスクコンポ「NETJUKE」を組み合わせれば、面倒なPC操作をしなくても、手軽にウォークマンを活用できる。これもEシリーズの魅力の一つに数えられるだろう。こうした「使い勝手」を売り物に、EシリーズがiPodの牙城を突き崩すことができるかどうか、今後注目していきたい。(フリーライター・寺村豊)