中小企業にぞっこんで、力になりたいと願う――第36回

千人回峰(対談連載)

2009/03/16 00:00

桑山義明

桑山義明

シーガル 代表取締役社長

どんなサービスを提供できるかが問われる

 桑山 ITベンダーの話に戻ると、いま、ベンダーにとって非常に大きなチャンスなんです。そのチャンスは、IT側ではなく経営側に立っていないと見えません。

 これまでITベンダーは、ITを提供するという発想だったわけですが、いま、ITやネットワークはすべての経営のベース、インフラになってしまったわけです。すると、ことさらITといわなくても、商売にネットや携帯電話が絡むのは当たり前になります。つまり、ここ7~8年で、アナログのFAX・電話・郵便というコミュニケーション手段がネットを介したデジタルに変わってしまったことが、まさにITベンダーのチャンスになるのです。

 情報の入口と出口がデジタルになったことで、どこの会社も既存の社内システムの見直しが必要になることは間違いありません。システムの交換がうまくできない会社はSaaS(Software as a Service)を利用することになるでしょうが、すべての会社がSaaSということにはなりません。そこの部分で、地場のITベンダーが開発したりメンテナンスを行なう余地は当然あるわけで、そちらの方向性にシフトしていく必要があるでしょう。

 奥田 ただモノをつくって売るという姿勢ではダメということですね。

 桑山 そうです。ただ難しいところは、その変化についてITベンダーよりも経営者のほうが敏感だということです。ですから、ベンダーにとっては「何を売ればいいのか」ということを明確にすることが求められる時代といえます。たとえば、USBのシンクライアントを持っていれば、もうハードを選ぶ必要のないところまできつつあります。だから、ハードを売るという発想は捨てて、自社独自のサービスをいかに提供できるかと考えないといけないでしょう。

 奥田 なるほど。私も「週刊BCN」に“「売る」ための「5W1H」を発信するIT専門紙”と銘打ったのですが、まさに「5W1H」を考えないといけないわけですね。桑山さんと私は考え方が似ている気がします。有名人になれないところもそうですが(笑)。

前へ

Profile

桑山義明

(くわやま よしあき)  1946年新潟県生まれ。68年、信州大学工学部卒、日本分光入社。79年、パソコン専門のシステムプラザ、株式会社シーガルを設立。同社代表取締役。パソコンを利用した基幹業務および情報系システム構築の企画、構築、運用を手がけ、数多くの業務や業種のシステム構築を経験。また、日本商工会議所の依頼による『中小企業のためのEC入門』カリキュラム、テキスト制作や経済産業省(中小企業庁)の中小企業のためのeラーニング事業『どこでも学べる 中小企業のためのネット取引』などの教材作成をし、全国中小企業のIT、EC化支援を行なっている。特定非営利活動法人OCP総合研究所理事長も務める。

オススメの記事