売上げの半分は海外市場で上げる――第19回

千人回峰(対談連載)

2008/03/31 00:00

牧誠

牧誠

メルコホールディングス 代表取締役社長

大手量販店の寡占化は世界の共通傾向

 奥田 ところで海外には今はどのくらいの頻度で出ているんですか。

 牧 かつては1年の半分は海外に出ていたこともありますが、07年は3分の1くらいでしたね。

 奥田 世界を走り回って、何か気がついたことがありますか。

 牧 興味深い現象がみえてきました。販売界の変化というのは、国によるタイムラグはありますが、突出したところ量販店が市場を支配するようになる、という点です。これはどの国にも共通してワンパターン化しているようにみえます。

 最も寡占化が進んでいるのが英国で、ディクソンズという量販店が家電やパソコンの店頭市場では60-70%のシェアを持つようになりました。企業向けのSierが担当しているコーポレイト市場は別ですが、コンシューマ向け市場では、大手量販店の寡占化が先進国では進んでますね。

 その一方で、インターネット通販の利用者も増えています。英国では家電やパソコンなどのコンシューマ製品ではインターネット通販のシェアが50%を超えたとみられています。量販店より安いことが知られてきたためでしょう。

 奥田 寡占化が進むと、価格の決定権はその量販店が握ってしまうことになるんですか。メーカーとしては頭の痛い現象ですね。

 牧 英国では30-40%の粗利を要求されたなんて話も聞きます。売れ筋商品については、インターネット通販に価格負けしないような値段をつけるわけですが、利益はちゃんと確保、その分メーカーが負担しているわけです。

日本はドバイと英国の中間に位置

 奥田 国による違いの実例をいくつか挙げてもらえますか。

 牧 インドのネループレイスという都市にある電気街は大きいですよ。秋葉原の何倍もあるという印象です。1階、2階が売り場、3階以上は倉庫、オフィスといったビルが何千軒と並んでおり、お客も結構入っています。

 一方、アラブ首長国連邦のドバイの電気街は5年前は隆盛を誇っていたんですが、今は閑散としていて、衣料品店なども増えています。原油高で、経済が順調に成長していることを背景に、郊外型店や中心地型店が増え、そこにお客を取られているんでしょうね。

 奥田 日本はどの段階にあると思われますか。

 牧 英国とドバイの中間くらいですかね。日本は大型店同士がまだ張り合っていますが、本音をいえばこれ以上寡占化は進んで欲しくないですね。本気で家電の通販をやるところが登場すれば、結構いけるだろうなという思いは強くなっています。

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