「乗換案内」でBCN AWARD 2007最優秀賞を獲得した佐藤俊和社長と対談――第8回

千人回峰(対談連載)

2007/04/02 00:00

佐藤俊和

佐藤俊和

ジョルダン 社長

 奥田 漫画もやってましたよね。

 佐藤 漫画家の井上雄彦さんと知り合いましてね、SLAM DUNK(スラムダンク)のテレビゲーム化を図ろうかと走り出したこともありました。

 奥田 井上雄彦さんって、私は知らなかったんですが、子供たちの間では有名でした。バスケットボールブームの火付け役となった漫画の作者なんですね。

 佐藤 テレビゲームもやりたかった分野の一つでした。SLAM DUNKはいろいろ事情があって実現しなかったんですが、実はいまでもゲームについては1ラインだけは残しており、いつでも復活できる体制にはあります。

 囲碁ソフトに夢中になってた時期もあるんですよ。1995年から99年頃までですが、コンピュータの囲碁ソフト同士の世界大会が開かれていまして、それにエントリーしました。最初は最下位だったんですが、5位にまでなったこともあります。囲碁というのは19×19で361のマス目があるんですが、1手打つごとに変化していきますので、最終的には無限の組み合わせが考えられます。

 こういう世界って、私、ファイトが湧くんです。電子総合研究所に囲碁ソフトに関心を持っている学者がいるというので、教えてもらいに通ったり、中国に連続優勝している大学の先生がいましたので、教えて欲しいといったら1日の授業料は5万円だといわれてびっくりしたりもしました。いまは中断していますが、囲碁ソフトもいずれ再チャレンジしたいですね。

グラフ理論を応用した乗換案内

 奥田 そういえば、佐藤さんって数学科の出身でしたね。難しいテーマほどやる気がでてくるんだ。ジョルダンっていう社名は、数学と関係あるんですか。

 佐藤 はい。フランスの数学者で、閉曲線に関するジョルダンの定義は有名です。中学校の教科書にはでてくるんですが、日本では、ガウスほど有名ではない。だけど、私の好きな学者なんです。

 奥田 ところで、乗換案内はどんなきっかけで商品化したんですか。

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