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エキナカはかざすだけの電子マネーで! 実は楽天Edyやnanacoも使える

 首都圏・東北エリアのJR東日本グループ駅ナカ商業施設・駅ビルを対象とした「エキナカ&駅ビル×電子マネーキャンペーン」が、3月31日まで実施中だ。対象の電子マネーは、Suica、nanaco、楽天Edy、WAON、iD、QUICPay。いずれもカードや端末をかざすだけで決済できる非接触型のキャッシュレス決済サービスで、PayPayをきっかけに各社が新規参入した、「コード決済」と呼ばれるスマートフォン(スマホ)決済サービスよりも決済スピードや手軽さの点で優れている。今回は、エキナカ&駅ビル×電子マネーキャンペーン対象の各電子マネーの特徴を紹介していこう。

JR東日本のエキナカで使える電子マネー

 キャンペーン概要は共通で、JR東日本の駅構内にあるコンビニ「NewDays」「NewDays KIOSK」を含む駅ナカ・駅ビルの対象電子マネーが利用可能な対象店舗で、2月1日~3月31日のキャンペーン期間中に対象電子マネーを合計1000円以上利用した人から抽選で500人、合計3000人に2000円分をキャッシュバックする。

 楽天Edy、WAONは、キャンペーンサイトからエントリーが必要。また、楽天Edyの場合は楽天ポイントでプレゼントし、一部のiDやQUICPayでは、2000円相当のポイントをプレゼントする。
 
キャプJR東日本グループのエキナカ商業施設&駅ビルで楽天Edyキャンペーンション

 Suicaは、2001年に11月18日にスタートした交通系電子マネー。今年11月で誕生20周年を迎える。おサイフケータイ対応携帯電話に続き、11年7月23日に、Androidスマホ向け「モバイルSuica」サービスを開始。16年10月にiPhoneにも対応し、今はiPhone 7以降/Apple Watch Series 2以降で使えるApple PayのSuica(モバイルSuica)がメインだと考えられる。今年3月には、Android版を中心にモバイルSuicaアプリをアップデートを実施予定。

 モバイルSuicaへのチャージは、登録済みクレジットカード(1枚)またはApple Payに登録済みのカードから可能。一部のクレジットカードは、チャージ時にポイントがたまり、NewDaysなど、ウェブ登録済みSuicaで登録済みSuicaの利用でポイントがたまる店で決済すると、税込み100円または200円につき、1ポイントのJRE POINTがたまる。

 JRE POINTは有効期限があるものの、最小1ポイントからモバイルSuicaにチャージでき、限りなく現金相当として使える、ためる価値の高いポイントだ。
 
登録済みSuicaの利用でJRE POINTがたまる店のマーク

 nanacoは、07年にスタートしたセブン&アイグループの電子マネー。モバイル版はAndroidスマホのみ。現在、新規にチャージ用クレジットカードに登録可能なクレジットカードは「セブンカード・プラス」に限られ、このカードでチャージするとnanacoポイントがたまる。

 楽天Edyは、当初「Edy」としてスタート。モバイル版はAndroidスマホのみだが、楽天IDにひも付けているため、Androidスマホ間で簡単にチャージ残高を移行できる。チャージは、楽天IDにひも付けているカードから選択でき、楽天カードでチャージすると楽天ポイントがたまるほか、楽天ポイントからチャージすることもできる。また、楽天Edyでの支払い税込み200円につき、事前に設定した好きなポイント(カード型は楽天ポイント固定)を1ポイント獲得できる。

 WAONは、イオンリテールが発行する電子マネー。モバイル版はAndroidスマホのみ。楽天経済圏ほどではないが、強固なイオン経済圏の一翼を担うキャッシュレス決済サービスだ。

 iDは、05年12月にスタートした電子マネー。当初は後払いのみだったが、今は事前にチャージした残高で支払う前払い・即時払い方式も提供しており、メルペイ(iD)、LINE Pay(iD)はコード決済と同じチャージ残高から支払う仕組み。クレジットカードをひも付けたiDの場合、利用金額に応じ、クレジットカード会社のポイントがたまる。

 QUICPayも同じく05年にスタート。Apple Payの一つであり、各社が発行するクレジットカード/デビットカード/プリペイドカードを登録するとiPhone/Androidスマホで使える。iD同様、利用金額に応じたポイント付与や現金キャッシュバックがあり、クレジットカード各社主催のキャンペーンも活発だ。たいていiD/QUICPay双方に対応しているが、まれにiDしか対応していない店舗がある。
 
QUICPay+はApple Pay/Goole Payに対応。
有人レジでは「QUICPay(クイックペイ)で支払う」と伝える

 JR東日本は20年春以降、FeliCaを利用した非接触決済サービス(電子マネー)に順次対応しているが、いまだにSuicaをはじめとする交通系電子マネーしか使えないと思い込んでいる人が多数ではないだろうか。

 まだ、従来の交通系電子マネーしか使えない店舗が多いものの、楽天Edyで支払うと楽天ポイント、nanacoで支払うとnanacoポイント、dカードを登録したiDで支払うとdポイント、au PAYカードを登録したQUICPay+で支払うとPontaポイントがそれぞれたまるということは、実質的に駅ナカが楽天経済圏やnanaco経済圏などに入ったことを意味する。

 私鉄各線の駅ナカや駅ビルは、早々に各種電子マネーに対応しており、東急は楽天と共同で設立した楽天東急プランニングを通じて、ポイントサービスで収集したマーケティングデータの活用を進めるという。また、鉄道沿線を中心に出店するスーパー「東急ストア」や「Odakyu OX」は主要スマホ決済サービスを導入し、キャッシュレス決済の推進、キャッシュレス決済手段の多様化にいち早く取り組んでいる。
 
東急線沿線を中心に出店するスーパー「東急ストア」は、
決済手段を問わず、ポイントカード提示で、TOKYUポイントと楽天ポイントがたまる

 3月13日の初電から、交通系ICカードのSuicaが入場券になるIC入場サービス「タッチでエキナカ」を始めるなど、JR東日本は「駅」のショッピングセンター化を進めている。au PAY、PayPayなど、主要スマホ決済サービスのキャンペーンとあわせて動向に注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)