飲食店の予約業務はAI受付「さゆり」がさばく

販売戦略

2020/10/01 17:30

 全国の約1万5000店の飲食店が導入している予約管理システム「ebica(エビカ)」を展開するエビソルは10月1日から、LINEの音声認識技術「LINE AiCall」を使ったAIレセプション「さゆり」の提供を開始した。飲食店は、グルメサイトなどのネット予約はもちろん、24時間365日の電話予約も、さゆりが空席状況を確認しながらさばいてくれる。

エビソルの田中宏彰社長(右)とLINE執行役員の砂金信一郎Iカンパニー/カンパニーCEO

新型コロナで増えた「直前の電話予約」

 食べログやぐるなび、ホットペッパーなどのグルメサイトが普及したことで飲食店のネット予約は急増している。2012年にウェブ予約が10%、電話予約が90%だったのに対し、19年にはウェブ予約が46%、電話予約が54%とほぼ半々になっている。
 

 集客メディアが多様化することで予約管理は煩雑になり、人の力だけではダブルブッキングを回避することが難しくなっていた。そこでエビソルは飲食店の空席をデータベース化した業界初の「グルメサイトコントローラー」を使って、予約の自動取り込みと残席数を自動反映させるリアルタイムオンライン管理を実現した。このため、政府の飲食店支援策のGo To Eatキャンペーンでも活躍が期待されている。

 しかし、依然として半数を占める電話予約は手つかずで、人力に頼っていた。ユーザーは予約が取れているか不安なのか、当日予約はウェブを使わずに、直接店に電話してくるケースが多い。とりわけ、新型コロナウイルス感染が拡大するにつれて、営業時間の短縮や休業する店が増えたためか、来店直前の30分以内に電話をかけてくるケースが増えているという。
 
当日は30分以内の電話予約が増えている

 さゆりは、顧客からかかってきたこうした電話に対して自動応答しながら予約を入れてくれる。具体的には、翌日以降の予約はさゆりが会話して空席を確認して受け付けたり、予約サイトのURLをSMSで送信したりする。当日の直前予約もさゆりが会話形式で受け付ける。登録済みの予約の確認電話もさゆりが会話で予約内容を確認する。

 予約の変更やキャンセル、そのほかの問い合わせについては店に転送される。この場合も、さゆりと顧客の会話履歴を確認することができるため、店側でスムーズに対応できる。
 
AIレセプション「さゆり」

 なお、電話による予約はグルメサイトのオンライン予約とは異なるくため、Go To Eatの対象外になる。登録飲食店で使えるプレミアム付き食事券などの利用を案内するといいだろう。

 さゆりの裏の技術には、LINE AiCallが使われている。いわゆる音声認識技術の一つで、電話に特化した音響モデルと日本語に強みのある言語モデル、業務に特化した語彙辞書の三つの認識技術からユーザーに合わせた違和感のない対話ができる。

 さゆりの費用は、初期費用1万円で、1通話150円で100通話1万5000円から利用できる。101件目以降は1件150円。10月1日~12月25日まで「飲食店応援キャンペーン」を開催しており、初期費用は0円、初月と翌月の2か月間も0円のトライアル価格で利用でき、3か月目以降はずっと月額1万円で100件まで、101件目以降は100円という特別価格が適用される。

 新型コロナ対応で飲食店で働く店員も少なくなっている中、さゆりが頼もしい味方として活躍してくれるだろう。(BCN・細田 立圭志)