WDLC、小学校100校にプログラミング教材を無償提供

 Windows PCと関連する製品・サービスに携わる企業114社で構成する業界団体の、ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)は、学校のプログラミング教育を支援する「MakeCode×micro:bit 100プロジェクト」を実施する。教育用マイコンボード「micro:bit」を全国の小学校100校に無償提供し、2020年のプログラミング必修化までに指導方法などの知見を集約する。WDLCのサイト上で参加校の募集を6月20日に開始する。

「micro:bit」(手前右)を利用したプログラミング学習環境

 20年度から小学校でプログラミング教育が必修化されることから、プログラミング教育への関心は高まっているものの、教材や指導方法の具体的な検討は多くの学校でこれからの段階だ。今回のプロジェクトでは、教材となるマイコンボードを提供するとともに、授業計画の案やサンプルブログラムをウェブサイト上で公開し、必修化に向けて今年から授業の準備を行う学校を支援する。
 
プロジェクトの発表会に登壇した(左から)NECパーソナルコンピュータ、デル、東芝クライアントソリューション、総務省、文部科学省、経済産業省、WDLC、日本HP、富士通クライアントコンピューティングの各担当者

 プログラミング環境として、マイクロソフトの「MakeCode」を使用。画面上で、指令が書かれたブロックを並べていくことで、視覚的にプログラムを組んでいくことができる。作成したプログラムを実行するmicro:bitは、英BBCが情報教育用に開発した約5cm角のマイコンボードで、ARMベースのCPUに加え、光センサとしても機能するLED、2個の入力ボタン、温度・加速度・方位のセンサ、Bluetooth通信機能などを搭載している。これらを組み合わせることで、プログラミングの結果を光などの身近な現象として体感できるのが特徴。
 
「MakeCode」で、周囲が暗くなるとLEDが点灯するプログラムを作成したところ
 
USBケーブル経由で「micro:bit」にプログラムを転送し、実行結果をすぐに確かめられる

 6月20日から7月6日まで募集を行い、新しい教育や未来の人材育成に積極的と考えられる小学校100校を選定し、対象となった学校には7月20日にmicro:bitを届ける。9月以降に授業で活用してもらい、対象校からは実施報告書の提出を求める。全国の学校が今後の授業の参考にできるよう、報告書の内容や授業で作成したプログラムは、WDLCのサイトで公開する予定。児童二人一組での授業を想定し、micro:bitは各校20枚を提供する。

 プロジェクトの実施にあたって、文部科学省・総務省・経済産業省の3省が立ち上げた「未来の学びコンソーシアム」の後援を受ける。文部科学省の白間竜一郎大臣官房審議官は、「20年度から全国どの小学校でもプロ教育をしていくため、19年度までに準備が必要。時間があまりない。省として『小学校プログラミング教育の手引』を作成し、コンソーシアムでも授業例を準備しているが、私たちだけでは限界がある。WDLCのプロジェクトはタイムリーで、正直申し上げてありがたく思っている」と述べ、民間からの動きでプログラミング教育の機運が高まることに期待を寄せた。
 
文部科学省の白間竜一郎大臣官房審議官

 WDLC会長を務める日本マイクロソフトの梅田成二執行役員は、「ビジュアルプログラミングツールや、さまざまなセンサを搭載しながら安価なマイコンボードなど、プログラミングを学ぶための道具はすぐれたものが揃ってきている。しかし、それらを使って学校でどのように授業を行えばいいのか、家庭でどのように教えれば子供達の力を引き出せるのか、ノウハウがまだまだ足りない」と話し、PC業界としてもプログラミング教育の体系化を課題と考え、2020年に向けてさまざまな施策を打っていく意向を示した。
 
梅田成二WDLC会長・日本マイクロソフト執行役員