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「PCにイノベーションを!」 ファーウェイがPC市場に本格参入する理由

 ファーウェイ・ジャパンは、13インチのウルトラノートPC「HUAWEI MateBook X」と、専用キーボードカバーが付属した2in1 PC「HUAWEI MateBook E」を7月7日に発売した。

 ノートPCとしてもタブレットとしても使える2in1 PCは、マイクロソフトの「Surface」のヒットをきっかけに多くのメーカーが追随。角度調整が可能なスタンドなど、PCのデザインに新たなトレンドを生み出したが、まだ主流は、天板を開け閉めするクラムシェル型だ。今回発表した「HUAWEI MateBook X」こそ、実質的なPC市場参入第一弾となる。競合となる国内外メーカーの製品も多いだけに、ユーザーに支持されるかどうかは、今後の試金石となる。
 

同社初の13インチのクラムシェル型ノートPC「HUAWEI MateBook X」

 7月4日に開催した新製品発表会では、まずはファーウェイ・ジャパンの端末統括部 プロダクトソリューション統括部 本部長の楊勇(ヤン ヨン)氏が、PCの競合ともいえるタブレットの販売実績を紹介。全世界的なトレンドとして減少傾向にあるなか、ファーウェイはシェアを大きく伸ばし、2017年第1四半期は、世界市場の7.4%を占めたと報告した。

 日本市場に限るとシェアはさらに高く、家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」の1月~5月の累計では約2割を占め、メーカー別で2位のポジションを確立しつつあると話した。
 

ファーウェイ・ジャパンの楊勇氏(左)と、
製品発表会のゲストトークセッションに登場したタレントの乙葉さん

 続けて、「重い」「見た目が悪い」「駆動時間が短い」といった現状のPCのデメリットを挙げ、「PC市場にはイノベータが求められている。従来のメーカーと価格で競争するのではなく、停滞するPC市場に技術力をもって新しい風を吹き込みたい」と、成熟しつつあるPC市場にあえて参入する意義を強調した。MateBookシリーズは、消費者が求めるイノベーションを目指した戦略的製品に位置づける。
 

世界市場のシェア(右上)と日本でのシェア(右下)。
新製品発表会では、PC市場の課題に多くの時間を割いていた

 新製品発表会には、開発にあたって協力を得たパートナー企業として、インテルの山本専執行役員マーケティング本部 本部長 兼 北アジア マーケティング ディレクター、Dolby Japanの大沢幸弘社長、日本マイクロソフトの河野万邦OEM統括本部 マーケティング部 部長を招き、それぞれ「HUAWEI MateBook X」に採用された技術や仕組み、OSについてプレゼンテーションを行った。
 

揚勇氏と、駆けつけたパートナー企業3社の代表
 

リアル店舗とオンラインショップで販売。
家電量販店では、タッチ&トライイベントも行い、積極的に拡販を図る

 「HUAWEI MateBook X」は、ドルビーとファーウェイがソフトウェアだけでなく装置設計から共同開発した「Dolby ATMOS Sound System(ドルビーアトモスサウンドシステム)」を搭載する。世界最小サイズの小型ボディと、スピーカーでもヘッドホンでも高い没入感が得られる、広がりのあるドルビーサウンドが特徴だ。Dolby Japanの大沢幸弘社長は、HUAWEI MateBook Xについて「オーディオ製品のようなノートPC」と紹介。日本での発売を正式発表した7月4日は、特別な日になると話した。
 

スマホで培った技術で、携帯性、デザイン性を高めた

 最後に価格と販売店を発表した楊勇氏は、ファーウェイは世界第3位のスマートフォンメーカーであり、美しい仕上げや充電技術など、これまで培ってきた技術力を生かし、パートナーとともに、これまでにないハイクオリティなマシンに仕上がったと締めくくった。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。