多彩なラインアップが揃ってきたAmazon Echoシリーズ。
手前が今回レビューするAmazon Echo Show 15
今回紹介するのは、もっとも需要があるディスプレイ搭載モデル、そのなかで最大のサイズを誇る「Amazon Echo Show 15(以下、Echo Show 15)」だ。「正直、大きすぎるのでは」という気持ちだったが、使ってみると「これほどワクワクするスマートスピーカーはなかったかも」とすぐさま心変わりした。ライフスタイルを変えてくれる可能性と、ちょっとした注意点を紹介したい。
15.6インチのディスプレイを搭載する「Amazon Echo Show 15」。
実際に使用感を確かめてみた
壁掛けできる初のEchoシリーズ 賃貸でも安心の専用金具を用意
Echo Show 15導入前、記者の自宅ではEcho Show 8をリビングに、Echo Show 5を寝室に、コンセント直挿しのEcho Flexを廊下に設置していた。ついでに言うと車にはEcho Auto、普段使いのイヤホンとしてEcho Budsを使用しており、そこそこのエコーリストだと思う。記者が当初Echo Show 15の必要性に懐疑的だった理由の一つが、現在でも十分にスマートスピーカーを快適に使えているからというものだ。大きいので置き場所にも悩むし、アップデートの伸びしろも少なく思えた。
とはいえ、この段階でも魅力に感じていたことがある。それは洗練されたデザインだ。他のディスプレイ搭載モデルと異なり、Echo Show 15は絵画の額縁のように真四角のフォルムで、カラーリングにも上品さがにじみ出ている。その形状通りに本当に絵画のように壁掛けができる。画面は回転式で、縦でも横でも好みの見せ方もできる。いわば“飾るスマートスピーカー”としても使えるわけだ。
壁掛けできる初めてのAmazon Echo。絵画のようにインテリアとしても優秀
最近はデジタルキャンバスといわれる製品が登場してきている。高精細であるがゆえに値が張るものも多い。Echo Show 15は2万9980円とEchoシリーズのなかでは高価格帯の部類だが、こうしたデジタルキャンバスと比較するとスマートスピーカーの機能を有しつつ、比較的購入しやすいという印象も受ける。画質はフルHDだが15.6インチであればこそ粗さは感じられず、十分に鑑賞に堪えうると感じた。
壁掛けはハードルが高いと感じる人も多いだろう。特に賃貸であればなおさらだ。そんな人のためにEcho Show 15は別売(3480円)にはなるが「専用美人壁掛け金具」を用意している。これは本体同梱の壁掛け金具と異なり、ホッチキスで壁に固定する。そのため賃貸でも許容範囲の小さな穴しかあかない。なお、こちらは日本限定のアイテムとのことだ。
多彩な情報を同時に表示可能 設置は“操作しやすさ”にも配慮
と、ここまで壁掛けの魅力を説明してきたが、いろいろと検討し、わが家ではEcho Show 15は通常のEchoと同じように空いたスペースに設置して利用することにした。わりと張り切っていたのだが、現在使用している他のEchoとの兼ね合いやコンセントの位置などを考慮に入れた末の結論だ。残念ではあったが、結果的にこれが正解だった、という話はこの後にしたいと思う。
最後にディスプレイとしての優秀さも紹介しておきたい。これまで記者が所有するEchoでもっとも大きなディスプレイを搭載していたのはEcho Show 8だったので、そこまでうまく活用できていなかった。詳細なウェザーニュースを確認する程度で、動画コンテンツを再生するなどは正直あまりメリットを感じなかった。
動画コンテンツを視聴するのにぴったり。15.6インチの大画面ゆえの魅力だ
ところが、15.6インチのディスプレイを備えるEcho Show 15なら動画を視聴するのにぴったりだ。記者はダイニングテーブルの隣に設置することによって、食事をしながらYouTubeやAmazon Prime Videoなどを快適に楽しむことができるようになった。価格や設置のハードルはあるものの、完全にディスプレイを生かし切れるEcho Show 15なら「有効に使えずにスマートスピーカーを持て余す」というありがちな失敗をなくすことができるかもしれない。(BCN・大蔵大輔)