オーティコン補聴器の「Oticon Opn」、指向性は過去へ、360°の音をありのまま

新製品

2016/07/07 10:51

 オーティコン補聴器は7月5日、騒がしい環境の中でも、360°の音を自然に聞き分けられる補聴器「Oticon Opn(オーティコン オープン)」を発売した。


Oticon Opn

 発表会では、オーティコンの本社があるデンマークのフレディ・スヴェイネ大使が挨拶し、「日本の社会が高齢化していくなかで、聴覚の衰えを感じる方は増 えていくだろう。そのような方々がオーティコンの補聴器で周囲とつながることによって、容易に社会に貢献できるようになる」と語った。
 


あいさつをするデンマーク王のフレディ・スヴェイネ大使

 最新技術の「オープンサウンドナビゲーター機能」を備え、周囲360°の音を毎秒500回の速度でスキャンし、興味を持った音に耳を傾けることができ る。従来の聞く範囲を狭めることで特定の音を聞く指向性技術に対し、複数の会話が飛び交うなど、音があふれる場でも自然に音を聞き分けられるようになっ た。
 


会話を明瞭に保ちつつ、ほかの音も聞き分けられる

 また、聴力の低下によって音情報が欠けてしまうと、欠けた情報を補おうとして脳に負荷がかかってしまう。この負荷を軽減するための BrainHearing(ブレインヒアリング)技術のほか、超高速で音声を処理できる新チップ「Velox(べロックス)」を搭載し、脳の「聞く働き」 を支える。

 さらに、二つの通信システムを搭載したTwinLink(ツインリンク)技術を採用することで、両耳間で通信しながら、外部端末ともつながることができ る。外部通信は2.4GHzのBluetoothを利用し、無料の「Oticon ONアプリ」を使えば、iPhoneをオープンのリモコンとして活用できる。

 「Oticon Opn」は補聴器で初めて、さまざまなWebサービス間を自動的に連携する「If This Then That(IFTTT、イフト)」のサービスを介して、インターネットに接続する機能を持つ。メールの通知や自宅のセキュリティのオン・オフなどを補聴器 で受け取ることができる。
 


さまざまなwebサービス間を自動的に連携する「IFTTT」

 軽度から高度までの難聴に適合する。価格はオープンで、実勢価格は、両耳セットが100万円前後、片耳が55万円前後の見込み。色は、髪の毛の色に合わせたベーシックなカラーとロイヤルブルーの全8色。