一人分のご飯が美味しく炊ける! 三菱電機の「本炭釜 NJ-SW067」で炊いてみた

レビュー

2016/02/29 19:50

 近年、注目を集めているのが、小容量のご飯を美味しく炊ける高級IHジャー炊飯器だ。以前は小容量の炊飯器というと、一人暮らしの学生向けというイメー ジが強く、美味しさよりも安さやデザインが優先されていた。しかし、少人数世帯の増加により、小容量のご飯を美味しく炊きたいというニーズが高まってい る。
 



3.5合炊きのフラッグシップモデル、三菱の「本炭釜 NJ-SW067」

三菱が生み出した小容量の高級炊飯器


 そんな小容量の高級炊飯器を最初に世に送り出したのが三菱電機だ。2011年2月に発売した「本炭釜 NJ-KW061」は、内釜の素材に10万円超の高級炊飯器と同じ本炭釜を採用。小容量でも美味しいごはんが炊ける炊飯器を生み出した。

 そして、今回試食するのが3.5合炊きの高級炊飯器の最新モデル、「本炭釜 NJ-SW067」。内釜には、純度99.9%の本物の炭から熟練の職人が手作業で削りだした最厚部7.5mmの本炭釜を採用。ふたヒーター、二つの胴回 りヒーター、そして釜底ダブルリングIHによる「五重全面加熱」を採用しているのが特徴だ。五つのヒーターでしっかりとご飯を加熱しながら連続沸騰するこ とで、お米のα化を促進している。
 


本体上部カバーにボタン類を配置。液晶モニタ周りに整理されている

 さっそく実際にご飯を炊いてみた。使用したお米は、栃木県産のコシヒカリ。2合のお米を3、4回研いだ後、内釜にセットし、分量通りの水を入れる。この とき、炊飯器によっては水量がいまいちわかりづらいことがある。しかし「本炭釜 NJ-SW067」では、斜め上から見ても水の量がわかりやすい「Vピタ目盛」を採用しているため、水量を間違うことなく調整することができた。
 


「Vピタ目盛」で水量がわかりやすい

 お米と水をしっかり計り、内釜を本体にセットしたら最も美味しく炊ける「匠芳潤炊き」モードで炊いた。「炊飯」ボタンを押すと、画面には約74分と炊飯 時間が表示される。2合のご飯を炊く時間としては長めだが、それだけ米への吸水に時間をかけて、沸騰までの立ち上がりをゆっくりと行うことで、お米の芯ま でしっかりと熱が入る。
 


最高の状態でご飯を炊いてくれる「匠芳潤炊き」機能を搭載する

 実は大容量の炊飯器で小容量のご飯を炊くと美味しくない理由もここにある。5.5合炊きの炊飯器では5.5合をしっかりと美味しく炊くための火力を備え ている。だが、この炊飯器で2合以下のご飯を炊くと、沸騰が早まってしまい、うまみをしっかりと引き出すことができないのだ。

 「本炭釜 NJ-SW067」では、お茶碗1杯分(約0.5合)のご飯でも美味しく炊けるような炊飯工程が設計されている。それが小容量高級炊飯器の魅力なのだ。
 

小容量でも美味しく炊きあげる

 


ふっくらと炊けたご飯。粒感を残しながらも艶やかで、
しっかりとした弾力のある食感が得られた

 約74分後、ご飯が炊き上がった。ふたを開けると、ご飯の表面は非常に艶やか。みずみずしい炊き上がりだと感じられた。ご飯はとても白度が高く、いやな 臭いもなし。お茶碗によそったご飯を口に運んでみると、しっかりと甘みが引き出されているのが分かる。また、食感としては十分な粘りがあるが、粒感もしっ かりしていて、つぶれることなく、適度な弾力でご飯を美味しく食べることができた。2合の少ないご飯をこれだけ美味しく炊けるのは、「本炭釜 NJ-SW067」ならではだ。
 


常圧式のため、シンプルな内ふたを採用。メンテナンス性が高いのも魅力

 なお「本炭釜 NJ-SW067」では同じ芳潤炊きモードが玄米にも対応。栄養価の高い玄米を美味しく炊くことができるのだ。たとえば、普段は白米を炊き、カレーなど玄 米が食べやすいおかずのときだけ、玄米を炊くといった使い分けも可能。小容量だからこそ、その都度、食べる分だけ、ご飯が炊けるのもうれしい。

 また2合までなら、「お急ぎ」モードを使うことで、約17~23分でご飯を炊くことが可能。これなら事前にセットを忘れてしまった場合でもおかずの準備をしている間に炊くことができる。

 このように「本炭釜 NJ-SW067」は、小容量のご飯でもしっかりと美味しく炊ける小型炊飯器だ。しかし、3.5合炊きの炊飯器としては最高級モデルと言うこともあり、若 い方などには、若干ハードルが高いかもしれない。そういった方には、よりお買い得な「炭炊釜 NJ-SE067」がおすすめ。内釜は炭コーティングを施したアルミ+ステンレス釜だが、上位モデルと同じ「五重全面加熱」によるしっかりとした火力コン トロール機能や、芳潤炊き機能を搭載。美味しいご飯を炊くことができる。

 その昔、ご飯はたっぷりと炊くからこそ美味しいと言われていた。ちょっとだけでは美味しく炊けないのが普通だった。しかし、三菱の炊飯器が、その常識を覆した。

 小容量でも美味しくご飯を炊ける三菱電機のジャー炊飯器は、この春から一人暮らしを始める人だけではなく、家族が独立し、ご飯を炊く量が減る家庭にもうってつけの製品だ。