家電製品の「買い場」が変わる、ヤマダ電機グループのコスモスが講演

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2015/06/23 20:14

 ヤマダ電機グループで全国の家電店や異業種店など1万店以上をボランタリー・チェーン(VC)で組織化しているコスモス・ベリーズは、23日と24日の2日間、東京ビックサイトで開催している「リフォーム産業フェア」に出展した。

リフォーム産業フェアに出展したヤマダ電機グループのコスモス・ベリーズ

 同社の三浦一光 代表取締役会長は「リフォーム店の利用が急増する、ヤマダ電機グループの家電VCとは」と題する講演の中で、燃料店やリフォーム店など、ユーザーの家電製品の「買い場」が変わってきている実態について語った。

冠婚葬祭業や新聞店も家電製品を販売



 コスモス・ベリーズの加盟総店舗数は15年5月31日現在で1万363店に上る。加盟店の多くは従来の家電店ではなく、83業種にも及ぶ異業種が占める。総店舗数の内訳は燃料店が41.3%と圧倒的に多く、次にリフォーム店・工務店の7.1%、電気工事店の5.4%、その他の29.6%と続く。

 美容院で化粧品と一緒に理美容家電を扱ったり、ドラッグストアで電動歯ブラシやヘルスケア製品を扱ったりするケースはいまや一般的。家電製品を扱う83業種の中には、石材店や冠婚葬祭業、スポーツジム、保険代理店、旅行代理店、自動おしぼり機販売、新聞店、段ボール製造業まで幅広い。

コスモス・ベリーズの三浦一光 代表取締役会長

 中でも急増しているのがリフォーム店や工務店だ。昨年のテレビ放送でコスモスが取り上げられた際、リフォーム店や工務店からの問い合わせが74件だったのに対し、家電業界に属する家電店からの問い合わせは、わずか17件しかなかったという。

 リフォーム店や工務店によるコスモスの活用事例もいつか紹介した。増改築フェアで家電製品を展示したところ、顧客とのコミュニケーションがスムーズにいき商談がまとまったケースや、リビングに大型テレビ、キッチンに冷蔵庫、洗面所に洗濯機をセットにした新築分譲が即日完売したケース。また、リフォームの商談切り口に、省エネ家電をセット提案したところ成約し、電気料金の削減にもつながって喜ばれた事例などもあったという。

6月末で加盟受付をいったん休止



 異業種の加盟が増えた背景には、仕入れ額の規模に関係なく月会費1万円で家電製品が仕入れられるというハードルの低さや、ヤマダ電機が扱っている家電関連11万アイテム、非家電関連47万アイテムの合計58万アイテムの商材が自店でも扱えるメリットがある。

 2020年には2万店を目指すとするが、三浦会長は「6月末で加盟の受け付けをいったんストップする」との衝撃的な発言をした。受付休止の期限は定めていないが「今年はコスモス設立から10周年。加盟店同士のつながりをもっと強くするために、まずは1年ぐらいかけて今ある1万店からニーズを拾い上げて、さらに加盟店のためになるコスモス・ベリーズにしていきたい」と語った。